演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胞巣状軟部肉腫に対してPazopanibが奏効した二例

演題番号 : P30-7

[筆頭演者]
伊藤 祝栄:1 
[共同演者]
加藤 俊介:1、保坂 正美:2、綿貫 宗則:2、鈴木 堅太郎:3、林 耕宇:3、秋山 聖子:1、高橋 信:1、高橋 雅信:1、添田 大司:1、井上 正広:1、城田 英和:1,1、森 隆弘:1、下平 秀樹:1、石岡 千加史:1

1:東北大学病院 腫瘍内科、2:東北大学病院 整形外科、3:福島労災病院 整形外科

 

【背景】胞巣状軟部肉腫(ASPS)は軟部肉腫の0.5-1%を占める比較的まれな疾患である。発育は緩徐であり外科的切除が治療の第一選択であるが、遠隔転移を起こした場合、既存の殺細胞効果薬剤による化学療法には抵抗性である。分子標的薬剤pazopanibはVEGFRやPDGFRなど血管新生に関与する膜貫通型チロシンキナーゼに対する阻害作用を示し、前治療歴がある軟部肉腫に対してプラセボと比較して有意に無増悪生存期間の延長することが報告されているが、ASPSに対する治療効果については不明な点が多い。今回、ASPSに対してpazopanibにより一定の効果を得た症例を経験したので報告する。【症例1】26歳女性。2010年から左殿部の無痛性腫瘤を自覚。その後腫瘤部の痛みが出現、MRIや針生検を経てASPSの診断となり、2011年6月に当院整形外科にて広範腫瘍切除術が行われた後、術後補助化学療法目的に当科へ紹介。しかし、同疾患に対する術後補助化学療法の有用性の報告がないことから、患者家族と相談の上、経過観察とした。同年11月のCT検査で多発肺転移が確認されたが、自覚症状なくRECIST上の測定可能病変もないことから経過観察を継続。2012年9月肺転移増大を認め、患者家族と相談し、2013年1月からpazopanib単剤療法を開始。2013年3月のCT検査では肺転移は腫瘍縮小(PR in)を示した。血圧上昇、視野障害、肝機能障害のため600mg/日へ減量したが、その後は大きな有害事象なく経過している。【症例2】21歳女性。2010年8月に左大腿の腫瘤を自覚、疼痛の増悪により近医を受診。当院整形外科に紹介され針生検でASPSと診断され、多発肺転移も合併していた。11月に広範腫瘍切除が施行された後、当科へ肺転移の治療の相談で紹介。しかし自覚症状なくRECIST上の測定可能病変もないことから、患者家族と相談の上、経過観察とした。2012年5月になり肺転移の増大を認め、患者家族と相談しsunitinib単剤療法を開始したが、8月に脳転移が確認されsunitinibを中止。γナイフによる局所治療後、12月からpazopanib単剤療法を開始。消化器症状(下痢)のため400mg/日減量して治療を継続しているが、2013年4月時点でSDを維持している。【結語】ASPSは化学療法抵抗性であり再発転移症例に対する治療法に苦慮することが多い。今回、転移のある術後ASPSに対してpazopanibを使用し現在も治療継続中の症例を経験したため報告する。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:分子標的治療

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