演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

悪性骨軟部腫瘍による上肢切断後の上肢機能とQOL

演題番号 : P30-1

[筆頭演者]
櫻井 卓郎:1 
[共同演者]
間賀部 勝巳:2、榊原 浩子:1、渡辺 典子:1、松岡 藍子:1、上野 順也:3、川井 章:1,3

1:国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科、2:P・Oリサーチ、3:国立がん研究センター東病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科

 

【はじめに】
近年,四肢を切断せずに悪性腫瘍の切除を行う患肢温存手術の手技が確立してきた.当院でも可能な限り患肢温存術を行っているが,局所進行症例の救済策として切・離断を選択せざるを得ない場合があるのも現実である.上肢切断後,患者はボディーイメージの変容,片手動作での困惑感,幻肢痛などに直面する.そのため障害を最小限にして良好な日常生活を獲得していくうえでリハビリテーションの果たす役割は大きい.骨軟部腫瘍術後の上肢切断者に関する報告は少なく,特化した機能評価法も確立されていない.先行研究ではISOLSやDASHによる評価が有用であると報告されている.今回我々はISOLS,DASH,SF-36の3つの評価法を用いて上肢切断者の機能評価を行ったので報告する.
【対象と方法】
対象は,2011年1月〜2013年4月に当院骨軟部腫瘍科より作業療法が処方された上肢切断術者13例中,同意の得られた10例(男5例,女5例)である.年齢は8〜79才(平均年齢45才).術後経過期間は6日〜1660日(平均455日).切断部位は,肩甲胸郭間離断4名,肩関節離断2名,上腕切断2名,前腕切断2名.機能評価はISOLS,DASH,SF-36を用いて行った.
【結果と考察】
全症例の平均値は,ISOLS7.8点(26%),DASH(D/S)32.7.SF-36の8つの下位尺度,2つのsummary scoreのうち国民標準値を10点以上下回ったのは下位尺度の「日常役割機能(身体)」であった.「日常役割機能(精神)」も低い傾向であった.国民標準値よりも高い傾向を示したのは下位尺度の「活力」,summary scoreの「精神的側面」であった.ISOLSはDASHと中等度の負の相関を示した(rs=0.59).上肢悪性骨軟部腫瘍術後の先行研究と比較してISOLSは低値であったが,DASHはやや高い傾向にあった.骨軟部腫瘍による上肢切断者に対しても,その機能評価法としてISOLS,DASH,SF-36が有用であることが示唆された.しかし日常生活上の困惑感や心理状態は個別性が高いため,今後はTAPES(Trinity Amputation and Prosthesis Experience Scales)など他の評価法も使いながら検討していく必要があると考えられる.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:リハビリテーション

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