演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳腺悪性葉状腫瘍単発肺転移の1例

演題番号 : P3-10

[筆頭演者]
狩野 萌:1 
[共同演者]
片山 和久:1、渡辺 裕:1、小峯 知佳:1、木村 慎太郎:1、岡田 朗子:1、平方 智子:1、家田 敬輔:1、諸原 浩二:1、吉田 武史:1、深井 康幸:1、和田 渉:1、大澤 秀信:1、保田 尚邦:1、田中 司玄文:1

1:伊勢崎市民病院 外科

 

【はじめに】葉状腫瘍は乳房腫瘍中の1%以下とまれな腫瘍であり、組織学的な特徴により良性、境界悪性、悪性に分類される。そのうち悪性葉状腫瘍に関しては多臓器への転移が散見される。今回我々は肺転移巣の完全切除により3年間再発を認めていない悪性葉状腫瘍の一例を経験したため、若干の文献的考察を加えこれを報告する。
【症例】症例は54歳女性。10年以上前に左乳腺のしこりを自覚。腫瘤は徐々に増大し、2009年7月、入浴中に左胸部の腫瘤から出血したため、当院救急外来受診し緊急入院となった。腫瘤は左胸部全体に広がり、可動性不良で潰瘍形成・出血が見られた。出血制御困難であったため乳房全摘除術を施行した。摘出腫瘤は4.3kgであり、病理診断は悪性葉状腫瘍であった。2010年1月、胸部CTにて右肺下葉S10に18mmの腫瘤を新たに認めたため、胸腔鏡下右肺部分切除術を施行した。病理診断は悪性葉状腫瘍の肺転移であった。現在、肺部分切除後3年を経過したが再発を認めていない。
【考察】肺の単発結節のうち大きさが5∼10mmのものは6∼28%が、20mm<のものは64∼82%が原発性肺癌であるといわれており、今回の症例に関しても鑑別診断として原発性肺癌と悪性葉状腫瘍の肺転移が考えられた。診断目的に切除生検を行い、結果は悪性葉状腫瘍の遠隔転移であった。また、乳腺悪性葉状腫瘍の遠隔転移は約25%に起こるとされており、転移再発症例に対しての確立された有効な治療法は確立されていない。化学療法が奏功したという報告も見られるが、それらは多発転移再発症例に対して行われたものが多く、臨床試験も行われていない。転移巣の完全切除により長期予後が期待できる症例が存在することから、単発再発症例に関しては積極的な転移巣切除を行う価値はあると考えられる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:手術療法

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