演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

浸潤性小葉癌と基質産生癌の混在した1例

演題番号 : P3-1

[筆頭演者]
猪狩 史江:1 
[共同演者]
倉田 麻美:1、清水 秀穂:1、小坂 泰二郎:1、中井 克也:1、齊藤 光江:1、荒川 敦:2

1:順天堂大付属順天堂医院 乳腺内分泌外科、2:順天堂大付属順天堂医院  病理診断科

 

浸潤性小葉癌(ILC:invasive lobular carcinoma)は乳癌の特殊型に分類され、本邦では浸潤性乳癌の5-10%とされる。基質産生癌(MPC:matrix-producing carcinoma)も同様に特殊型・化生癌の一型に分類され、その頻度は全乳癌の0.05%とかなり稀であり、症例数が少ない故、治療効果や予後に関する定説は得られていない。2008年5月から2013年4月までの期間で当院における手術検体で経験した化生癌は本症例を含め5例であった。今回我々はILCとMPCの混在した一例を経験したので若干の文献を踏まえ、ここに報告する。
症例は33歳女性。2カ月前より左乳房腫瘤自覚し、当院紹介受診。来院時左ACE領域の皮膚浮腫を認め、針生検の結果浸潤性乳管癌(IDCːinvasive ductal carcinoma) scirrhous type、ER- PgR- HER2 0(TNBCːtriple negative)の診断。全身精査にてcT4bN1M0 stage3Bの診断で、術前化学療法(FEC100x4→wPAC80x2にて薬剤性肺障害で中止、FECx2追加)を施行しPRを得て、左乳房切除術+腋窩リンパ節郭清(Level3)+植皮術を施行。術後病理結果にて背景にMPCを伴うIDC and ILC、TNBC、pT3N2M0、化療効果:Grade1bの診断となった。術後補助治療は初診時T4bであったことを考慮しcapecitabine内服、胸壁照射(50Gy)を選択。しかし術後2カ月で手術創直上皮膚に局所再発、Level2、鎖骨上リンパ節再発を来し、GEMへ変更も単発脳転移、肺転移、癌性胸膜炎、肝転移を来しPD。その後eriburinへ変更するもPDとなり、以後緩和治療へ移行し死亡となった。
化学療法に抵抗性である可能性が高い組織型が合併した症例に対し、標準治療にほぼ従った化学療法を行ったが、治療効果は乏しい結果となった。近年乳癌治療において生物学的特性が重視される傾向が強まっているが、化学療法に抵抗性を示す組織型に対する治療法の確立に対しても今後十分な検討が必要であると考える。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:病理

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