演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

100歳で陰茎部分切除術を施行した陰茎癌の1症例

演題番号 : P29-5

[筆頭演者]
田村 芳美:1 
[共同演者]
大木 一成:1、西井 昌弘:1、井手 正信:2、大野 順弘:3、大塚 保宏:4、橋本 由紀子:5

1:利根中央病院 泌尿器科、2:利根中央病院 麻酔科、3:利根中央病院 病理科、4:足利赤十字病院 泌尿器科、5:群馬大学大学院神経内科学講座

 

症例は100歳,男性.肉体的に激しい活動は不可能であったが,歩行可能で,軽作業として日記を毎日書いていた. 92歳時,真性包茎にて環状切除術を施行されていた.陰茎の腫瘤形成および出血,疼痛を主訴に,2011年11月8日,当科を受診した.陰茎亀頭部から環状溝および包皮背面に至る長径5cmの表面不整な腫瘤を認めた.改訂長谷川式簡易知能評価スケール:26/30.血清SCC は1.9 ng/mlと軽度上昇していた.MRIにて陰茎海綿体への浸潤を認めなかった.以上より臨床病期1の陰茎癌の臨床診断にて,2012年1月4日陰茎部分切除術を施行した.病理学的診断は高分化型扁平上皮癌(pT1bcN0M0)であった.2013年3月14日,血清SCCが3.6 ng/mlであったが,身体および画像所見にて再発を認めていない.自験例は検索した範囲内では陰茎癌症例として海外文献も含めて最高齢者であった.超高齢者で手術療法を検討する場合には,心肺機能と認知機能の術前評価が重要と思われる.病理学的所見より自験例は部分切除術単独で根治性が十分確保されたとは言い難いが,侵襲性と苦痛軽減という観点において妥当な選択と考えられた.病期1の陰茎癌の疾患特異的10年生存率は89%という報告がある.一方,簡易生命表によれば本邦の100歳男性の平均余命は2.3年であり,自験例の場合,癌が再発しても他因死となる可能性は否定できない.今回の手術療法のみで癌の根治性が十分確保されたとは言い難いが,今後再発が確定した場合,その時点での全身状態や平均余命を総合的に勘案した上で外科的治療を再度施行するか, 緩和医療に移行するかを判断するべきと考えている.

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:その他

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