演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

術後の機能保持を目指した小切開前立腺全摘除術の検討

演題番号 : P28-10

[筆頭演者]
鴨井 和実:1 
[共同演者]
沖原 宏治:1、岩田 健:1、上田 崇:1、河内 明宏:1、三木 恒治:1

1:京府医大 泌尿器科

 

【背景と目的】私たちは限局性前立腺癌に対する小切開前立腺全摘除術において、腫瘍の位置と前立腺周囲筋膜との解剖学的関係から骨盤底筋筋膜温存が可能と考えられる症例について筋膜間剥離前立腺全摘除術を行ってきた。また、同様に術前の勃起機能が良好な症例に対しては、可能な限り神経血管束温存手術を行ってきた。今回私たちが経験した筋膜温存もしくは非温存前立腺全摘除術症例のうち神経血管束温存手術を行った症例について、術後尿禁制とともに勃起機能の回復について評価することを目的とした。【対象と方法】限局性前立腺癌26例に対して片側もしくは両側筋膜間剥離前立腺全摘除術を行った。筋膜間剥離前立腺全摘除術による周術期および術後尿失禁と勃起機能の結果を直近の筋膜外剥離前立腺全摘除術21例と比較した。尿失禁については1日Pad使用枚数を術前および術後1週、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、9ヵ月、12ヵ月において調査した。勃起機能についてはIIEF5スコアを術前および術後3ヵ月、6ヵ月、9ヵ月、12ヵ月、18ヵ月、24ヵ月において調査した。【結果】両側筋膜間剥離前立腺全摘除術 14例と片側筋膜間剥離前立腺全摘除術 12例、両側筋膜外剥離前立腺全摘除術21例の年齢、PSA値、生検Gleason score、臨床病期に有意差なく、手術時間、出血量にも有意差はなかった。各手術症例の病理学的病期および外科的切除断端陽性率に違いはなかった。尿漏れPad非使用率は、両側筋膜間剥離手術、片側筋膜間剥離手術、両側筋膜外剥離手術とでそれぞれ3か月後に73%、80%、38%、6か月後に91%、90%、63%であった。術前IIEF5が6点以上であった症例の術後IIEF5の変化を観察したところ、両側筋膜温存かつ両側神経温存手術13例の術前、12ヵ月、24ヵ月でのIIEF5スコア平均は18.6、6.4、10.2と両側筋膜外剥離・片側神経温存術17例のそれぞれ14.2、2.3.3.0と比較して有意に改善していた(p<0.05)。また片側筋膜外剥離・片側神経温存術12例の術前、12ヵ月、24ヵ月でのIIEF5スコア平均はそれぞれ14.4、3.9、6.9と、有意差はなかったが両側筋膜外剥離とくらべて良好であった。【結論】筋膜外剥離と筋膜間剥離手術は、腫瘍の解剖学的位置や進展度から片側、両側の筋膜温存手技を使い分けることが可能であり、片側温存でも良好な尿禁制の回復が期待できる。術後勃起機能の回復のためには両側神経温存を行うことが望ましいと考えられた。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:手術療法

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