演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

膀胱癌におけるSmac/DIABLO発現のバイオマーカーとしての臨床的意義

演題番号 : P24-5

[筆頭演者]
水谷 陽一:1 
[共同演者]
大崎 謙次:1、竹一 知久:1、堀田 瑞希:1、勝岡 洋治:2

1:藍野大学 臨床工学科、2:ポートアイランド病院 泌尿器科

 

【目的】Second mitochondria-derived activator of caspase/direct inhibitor of apoptosis protein ( IAP )-binding protein with low pl ( Smac/DIABLO )は、アポトーシスのシグナルが細胞内に入るとミトコンドリアから放出され、IAP familyと結合し、その作用を阻害することによってアポトーシスを誘導する蛋白である。しかし、癌におけるSmac/DIABLO発現の意義はほとんど検討されていないのが現状である。そこで今回、膀胱癌におけるSmac/DIABLO発現を測定し、Stage、Grade、予後との相関関係を検討した。また、Smac/DIABLO発現と抗癌剤耐性との関係についても解析した。【対象と方法】手術時に84例の膀胱癌症例より膀胱癌組織と正常膀胱組織を採取し、Smac/DIABLO発現をWestern blottingにて測定した。【結果】すべての正常膀胱においてSmac/DIABLOの発現を認めたが、膀胱癌においては24%の症例でSmac/DIABLOの発現は認められなかった。98%の筋層非浸潤膀胱癌はSmac/DIABLOを発現していたが、筋層浸潤膀胱癌は41%の症例しかSmac/DIABLOを発現していなかった。また、膀胱癌のGradeが高いほどSmac/DIABLOの発現が認められなかった。Smac/DIABLO発現の高い筋層非浸潤膀胱癌症例はSmac/DIABLO発現の低い筋層非浸潤膀胱癌症例よりも経尿道的膀胱腫瘍切除術後の5年無再発率は有意に高値であった。また、Smac/DIABLO発現が認められない筋層浸潤膀胱癌症例よりもSmac/DIABLO発現を有する筋層浸潤膀胱癌症例の膀胱全摘除術後の5年生存率は有意に高値であった。シスプラチンやアドリアマイシン耐性T24膀胱癌細胞株では、T24親株に比較してSmac/DIABLO発現が低値であった。【結語】Smac/DIABLO発現は膀胱癌における予後マーカーになる可能性が示唆された。また、Smac/DIABLO発現は膀胱癌におけるバイオマーカーとしても重要であり、Smac/DIABLO発現が陰性または低下している膀胱癌症例に対しては、綿密な経過観察と、Smac/DIABLOのsmall moleculeの投与等が必要であると考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:バイオマーカー

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