演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

腎細胞がん脳転移症例の臨床病理学的検討

演題番号 : P24-1

[筆頭演者]
加藤 琢磨:1 
[共同演者]
末永 武寛:1、松岡 祐貴:1、平間 裕美:1、林田 有史:1、田岡 利宜也:1、常森 寛行:1、上田 修史:1、杉元 幹史:1、筧 善行:1

1:香川大医学部

 

【背景と目的】腎細胞がんの脳転移は予後に直結するが、治療に難渋することが多い。近年は定位放射線治療(SRS)や分子標的薬(TD)の導入で、治療選択肢は増えた。本院で経験した最近の脳転移症例を臨床病理学的に解析する。【対象と方法】対象は2006年1月より2012年9月までに組織学的に腎細胞がんと診断された95名。性別は男性7例、女性1例。年齢の中央値は69歳。【結果】初診時の原発巣のT-stageは、T1a:1例 T2a:1例 T3a:3例、T3b:1例、T4:2例、N+:3例、脳以外の他臓器転移:7例。原発巣の組織型は全例が淡明細胞型腎細胞がん。腎腫瘍の最大径の中央値は7cm 、G3(Fuhrman grade):8例、INFα:1例、INFβ:7例、静脈浸潤陽性:8例。脳転移の個数は単発6例、2ヶ所1例、多発1例、脳腫瘍の最大径の中央値は22.5mm。3例は初診時より脳転移を有していた。5例は原発巣摘除後54日~2237日後(中央値183日)に脳転移を認め、5例中4例は初診時に他臓器転移を認めていた。7例がSRS(ガンマナイフ6例、サイバーナイフ1例)を受けた。6例が治療前後にTDの投与を受け、1例はSRSと同時にTDの投与を受けた。1例はSRS後の再発に対し、全脳照射とTDの投薬を受けた。脳出血などの治療に伴う中枢神経系の有害事象は認めなかった。SRS治療前後でADLおよび画像所見の改善を5例に認めた。初診時からの1年生存率は全患者で62%、TD投与群で66.7%、TD投与なし群で50%、脳転移確認後の1年生存率は全患者で33%、TD投与群で44%、TD投与なし群で0%であった。脳転移出現後の死亡に関わるリスク因子に関する単変量解析では、腎腫瘍の最大腫瘍径、脳転移の個数、分子標的薬投与の有無が有意なリスク因子考えられた。脳転移の発症のリスク因子を原発巣の病理学的各因子を用いてカイ二乗検定により検討すると、付随する組織型の有無、Fuhrman grade、浸潤増殖様式、静脈浸潤の有無が有意なリスク因子と考えられた。これら4因子を用いて多重ロジスティック回帰分析を行ったが、有意なリスク因子は見出せなかった。【結語】腎細胞癌脳転移症例に対する定位放射線照射と分子標的薬併用療法は有効な治療法であり、重篤な合併症も見られなかった。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:集学的治療

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