演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

腹水濾過濃縮再静注法を施行した婦人科悪性腫瘍患者6例の検討

演題番号 : P23-5

[筆頭演者]
関根 花栄:1 
[共同演者]
鈴木 千賀子:1、落合 阿紗子:1、西澤 しほり:1、伊藤 陽介:1、酒井 華乃:1、村瀬 佳子:1、尾崎 理恵:1、山本 恵理子:1、上山 和也:1、時田 佐智子:1、窪 麻由美:1、田嶋 敦:1、野島 美知夫:1、吉田 幸洋:1

1:順天堂大学浦安病院 産婦人科

 

【目的】癌性腹膜炎による難治性腹水は、腹部膨満感や呼吸苦などを生じてQOL(quality of life)を著しく低下させる。症状緩和に腹水穿刺は有効であるが、その効果は一過性であり、蛋白やアルブミンの損失により栄養状態や免疫状態が低下し、腹水の再貯留を来たしやすくなる。腹水濾過濃縮再静注法(CART法:Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy)は腹水を採取し、濾過・濃縮器を用いて腹水中の細菌や癌細胞等を除去した後、腹水中の自己蛋白溶液を再び体内に戻す治療法であり、自覚的苦痛の軽減、循環血漿量の増加、血漿浸透圧の上昇などが得られる。当科では、2012年8月より積極的にCART法を導入しており、難治性腹水を有する化学療法抵抗性癌患者6例に本法を施行し、ADL(activities of daily living)の改善や低蛋白血症の軽減を認めたため報告する。【方法】2012年8月から2013年4月までにCART法を施行した婦人科悪性腫瘍患者6例(卵巣癌5例、子宮体癌1例、CART施行回数13回)を対象とし、CART法施行前後の血清総蛋白・アルブミン、腹水中のIL-6・TNFa・エンドトキシン濃度、腹囲、体重、Performance Status(ECOG-PS)、発熱に関して検討した。【成績】CART法で採取された腹水量は平均2819ml。CART法施行後の腹囲・体重は有意に減少。濾過濃縮後腹水中のIL-6濃度は全例で上昇し(p=0.00942)、TNFa濃度においても上昇していた(p=0.107)。濾過濃縮後腹水中のエンドトキシン濃度は全例0.8pg/mL未満で安全に施行できた。CART法前後で血清総蛋白の低下は認めなかった。14例中13例に発熱を惹起したが、いずれも24時間以内に消失した。【結語】本法は難治性腹水管理において簡便な方法の1つである。腹水除去と共に自己蛋白再利用によって、低蛋白血症軽減やADL向上が得られる。今後、難治性腹水コントロールや自覚症状の軽減、栄養状態の維持において有用であり、緩和治療の一端を担っていくと考えられる。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:緩和医療

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