演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

術前病理診断が困難な子宮頸癌に対する血清SCC値に基づいた治療法選択に関する検討

演題番号 : P22-10

[筆頭演者]
藤澤 夏行:1 
[共同演者]
長坂 一憲:1、河田 啓:1、金 愛理:1、松本 陽子:1、有本 貴英:1、織田 克利:1、川名 敬:1、藤井 知行:1

1:東京大学医学部附属病院 産婦人科

 

【目的】初期子宮頸癌では、画像検査では病巣が描出されず、かつ組織生検だけでは間質浸潤が判明しないことがある。診断的子宮頸部円錐切除術(conization)による上皮内癌か浸潤性癌かの確定診断が必要となる。一方、血清SCCは、扁平上皮癌に特異的な抗原であり、子宮頸癌の中で扁平上皮癌の再発予知マーカーとして頻用されている。本研究では、治療前の血清SCC値による上皮内癌か浸潤性癌の区別が治療法選択に有用であるかを検討することを目的とした。【方法】当科において2011~2012年に手術を施行された子宮頸部扁平上皮癌のうち、上皮内癌(CIS)と初期浸潤癌(Ia1~Ib1期)症例について、術前に血清SCC値を測定した30例(CIS 11例、初期浸潤癌(1a1期 5例、1b1期14例))を対象とした。これらの症例を、術後診断が上皮内癌であったCIS群(n=11)、術前組織生検で間質浸潤が判明したIC群(n=8)、術前組織生検では扁平上皮癌の間質浸潤が明らかではなかったが最終的に浸潤性癌と診断されたoccult IC群(n=10: Ia1期3例、Ib1期7例)の3群に分けた。群間における血清SCC値の比較をMann-WhitneyU検定で行った。また当施設の血清SCC値カットオフ(1.5ng/mL)を用いて血清SCC値異常値の頻度をFischerのX二乗検定で比較した。【結果】CIS vs 浸潤性癌(IC群+occultIC群)の比較では、浸潤性癌において血清SCC値が有意に高く(Mann-Whitney:p=0.013)、かつ有意に異常値の頻度が高率であった(Fisher:p=0.019)。血清SCC値が浸潤性癌ではCIS群に比して、高値であることが確認された。そこで、IC群 vs occultIC群の比較では、いずれの検定において血清SCC値に有意差はなかった。興味深いことにCIS群 vs occultIC群の比較では、occultIC群が、CIS群に比して、血清SCC値が高く(Mann-Whitney:p=0.06)かつ異常値も高頻度(Fisher:p=0.06)であった。CIS群では、血清SCC値異常値は1例のみであった。【結論】本検討のoccult IC群(扁平上皮癌Ia1期3例、Ib1期7例)のように術前の組織生検で浸潤性扁平上皮癌と断定できない場合があるが、術前血清SCC値が高値であれば浸潤性癌の可能性が高いと言える。コルポスコピー所見でCIS以上が疑われる場合は、組織生検に加え、血清SCC値を測定することが治療法決定に有用であると考えられた。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:診断

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