演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肺癌術後膿胸に対する治療法の検討

演題番号 : P21-12

[筆頭演者]
中川 拓:1 
[共同演者]
栗原 伸泰:1

1:JA秋田厚生連 仙北組合総合病院 呼吸器外科

 

【目的】肺癌術後合併症としての膿胸は、重篤な状態に陥りやすく治療に難渋することが多い。当院で行った原発性肺癌術後に発症した膿胸症例について検討した。【対象および方法】2008年4月から2013年4月までに、当院で施行した原発性肺癌手術141例中、術後膿胸となり治療を要した7例を対象。男性5例、女性2例。年齢の中央値は72(44~83)歳。病理病期はIA/IB/IIIA=2/3/2。【結果】区切/一葉切/全摘=1/5/1。術後2週間以内の早期発症は5例で、そのうち4例は胸腔ドレナージのみで軽快したが、起因菌としてMRSAを2例で検出した。胸腔ドレナージのみで軽快しなかった1例は5POD発症の再手術症例で、多房性となった膿胸腔に対しVATS膿胸腔掻爬術で軽快した。早期発症の5例はすべて無瘻性膿胸であった。晩期発症の2例はいずれも気管支断端瘻を伴い、1例は葉切後のMRSA膿胸であり、醸膿胸膜切除・胸郭成形を行い軽快した。残りの1例は肺全摘後5週目の化学療法中に発症、直ちに大網被覆を行い一期的に閉創したが、その3ヶ月後に断端瘻を再発、断端補強と大網再被覆で治癒した。膿胸関連死亡はなく、対象症例は全例膿胸治療を完遂できた。肺癌術後生存期間は40ヶ月(中央値)であり、IBとIIIA期の2例は癌死した。【結語】肺癌術後膿胸は、早期発症であれば胸腔ドレナージのみで治癒する割合が高く、多房性膿胸となった場合はVATSが有効である。気管支断端瘻を伴う場合は、大網被覆や胸郭成形を行うなどより侵襲を伴う処置が必要であるが、早期に発見し対処することが重要と考えられた。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:手術療法

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