演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

非小細胞肺がんにおける4種の薬物療法の薬剤経済評価

演題番号 : P21-4

[筆頭演者]
地嵜 悠吾:1 
[共同演者]
中村 暢彦:1、矢野 義孝:1

1:京都薬科大学

 

【背景】高額な新規抗がん薬や分子標的抗がん薬は、既存のがん化学療法に併用されることが多い。薬剤の選択においては、生存期間や無増悪期間の延長が重要視されているが、治療効果だけでなく薬物治療に関する費用面も考慮した薬剤経済評価が重要である。特にがん化学療法では有害事象の予防と対策といった観点からも薬剤が用いられるが、このような総合的な薬物治療管理の面から理論的な費用効用分析を行った検討は少ない。そこで今回、4種の選択レジメンがある非小細胞肺がん治療に焦点をあてモンテカルロシミュレーションにもとづく費用効用分析を行った。【方法】国内で行われた非小細胞肺がんにおける第3相試験(Four-Arm Cooperative Study; FACS)の文献情報を参考に、FACSにおけるIP、TC、GP、NP各療法について患者1000名を想定したシミュレーションを行った。シミュレートした生存期間、有害事象発生率から抗がん剤費用及び有害事象対策のための薬剤費用を個々に算出し、各患者における他のレジメンに対する増分費用効果比(ICER) を得た。一般的に薬剤経済評価において、経済性が高いといわれるICER 値500万円/年を目安として用いた。また、国内の全肺がん罹患患者数の薬物治療に要する総費用をレジメンごとに算出した。【結果】シミュレーションの結果GP療法において、他のレジメンに対してICER 値500万円/年を下回る患者の割合が最も大きく、最も経済性に優れていると判断できた。また国内の全肺がん患者に対して、GP療法における薬物治療の総費用は約500億円と算出された。【考察】今回の検討ではGP療法の薬剤費が最も経済性に優れるという結果となった。GP療法では、FACSにおける他のレジメンと比べ抗がん剤の費用そのものは最も安価であるわけではなく、有害事象である白血球減少症の発症リスクが最も低いため有害事象の対策費用が安価であったことが理由と考えられる。このように、治療効果や抗がん剤費用のみを考慮した場合と有害事象対策まで考慮した場合とでは経済性が異なる場合もあることが示された。今回検討したように、治療効果のみならず薬剤経済評価を基にした薬剤の選択が有用であると考えられる。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:化学療法

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