演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肺がんで化学療法を受ける患者の口内炎発症の実態と看護 -パイロットスタディとして-

演題番号 : P21-2

[筆頭演者]
田中 久美子:1 
[共同演者]
稲葉 香子:1、川村 奈々:1、川名 真衣:1、高橋 久美:1、村上 修司:1、近藤 哲郎:1、斎藤 春洋:1、尾下 文浩:1、山田 耕三:1

1:神奈川県立がんセンター

 

【研究目的】
 肺がんで化学療法を受ける入院患者に対する口内炎ケア看護介入プログラムを検討するための前研究として、A病院において肺がんで化学療法を受ける患者の口内炎発症の実態を把握することを目的にパイロットスタディを行うこととした。
【研究方法】
 2012年9月18日~11月16日の約2カ月間にA病院で肺がんで化学療法を受けた患者の口内炎発生状況を診療録からデータ収集した調査研究。本研究は神奈川県立がんセンターの看護研究倫理審査会の承認を得た上で実施した。
【結果】
1) 研究期間中、延べ170名の患者が化学療法治療目的で入院した。内、63名が期間中に再入院、10名が再々入院をしていたため、研究対象者は正味97名であった。
2) 研究期間中に延べ170名の研究対象者に対して、28種類の化学療法のレジメンが施行されていた。
3) 研究期間中の1回目の入院患者97名中、口内炎を発症した患者は22名(22.7%)であった。2回目の入院患者63名中、口内炎を発症した患者は8名(12.7%)、3回目の入院患者10名中、口内炎を発症した患者は3名(30%)であった。
 1回目の入院で口内炎を発症した患者22名のうち、JCOG/JSCOの有害事象基準の粘膜/口内炎のGrade 1で発見されたものが21名、Grade 2が1名であった。口内炎発症者への看護師の対応は、主治医にポビドンヨード薬またはアズレンスルホン酸ナトリウム薬の処方を依頼し、患者に咳嗽を奨励していたケースが22例、また、口内炎の予防・治療に効果のある濃厚栄養補助食品摂取を推奨したケースが7例であった。
 2回目の入院でGrade 1で発見された患者は8名、3回目の入院でGrade 1で発見された患者は3名であった。
4) 口内炎発症の関連要因を調べるために、「性別」、「年齢」、「義歯の有無」、「施行された化学療法のレジメン」、「白血球低下の有無」の各要因をクロス集計し、カイ二乗検定にて比較検討した。その結果、口内炎発症には白血球の低下の有無の間においてのみ、有意な差がみられた(p=0.003)。その他の関連因子と口内炎発症の間には有意な差はみられなかった。
【結語】
 A病院に肺がんで入院し化学療法を受ける患者の22.7%に口内炎が発症していた。その発症には骨髄抑制による白血球低下の有無が関連していた。また、看護師の観察が強化されることによって、口内炎は発症早期に発見され、早期対処されていた。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:がん看護

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