演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

術前胆道ドレナージ方法による膵頭十二指腸切除術の手術成績の比較

演題番号 : P20-12

[筆頭演者]
今井 寿:1 
[共同演者]
長田 真二:1、佐々木 義之:1、田中 善宏:1、奥村 直樹:1、松橋 延壽:1、野中 健一:1、高橋 孝夫:1、山口 和也:1、吉田 和弘:1

1:岐阜大学 腫瘍外科

 

【緒言】閉塞性黄疸患者に対する術前胆道ドレナージ方法には、内瘻と外瘻があり、内瘻の方が腸管免疫や腸内細菌叢の維持の観点から有用であるが、胆管炎などの合併症の頻度は外瘻の方が少ない。我々は、術前に胆道ドレナージを要した膵頭十二指腸切除術(PD)患者を調査し、ドレナージ方法が手術成績に及ぼす影響を調査した。【方法】2004年6月より2011年9月までに当科で施行した66例のPD症例から、術前胆道ドレナージを要した29症例を対象とし、内瘻症例(I群)と外瘻症例(E群)での手術関連因子、術後合併症、術後血液データを比較検討した。【結果】I群は19例、E群は10例であった。年齢の中央値は68歳(39-80歳)、男女比は20:9、原疾患は膵臓癌と胆管癌がそれぞれ11例で、乳頭部癌が5例、十二指腸癌と腫瘤形成性膵炎がそれぞれ1例であった。患者背景や手術方法(膵管ステント、胆管ステント、ドレーンの数など)、手術時間、術中出血量には、両群間に差はなかった。Clavien-Dindo分類におけるGrade 2以上の合併症発生率は、I群で52.6%、E群で40.0%と同等であり、ISGPF Grade B以上の膵液瘻の割合は、I群で15.8%、E群で40.0%と有意ではないがE群で高率であった(p=0.147)。その他、胃内容排泄遅延などの合併症の頻度は同等であり、術後経口摂取開始時期や初回排ガス日、排便日にも両群間の差はなかった。術前の血液データの比較では、統計学的な有意差はないが、血清総蛋白値(中央値I群6.6g/dL、E群6.3g/dL)とアルブミン値(中央値I群3.8g/dL、E群3.7g/dL)はE群で低値の傾向があった。術後アルブミン製剤の使用率はI群で68.4%、E群で90.0%とE群で高率であったにも関わらず、術後7病日の血清総蛋白値の中央値は、I群で5.5g/dL、E群で4.9g/dL、血清アルブミンの中央値は、I群で2.9g/dL、E群で2.7g/dLといずれもE群で低値であった。【考察】Retrospectiveな検討であり、統計学的な有意差は得られなかったが、膵頭十二指腸切除術における術前胆道ドレナージ方法としては、内瘻の方が栄養状態の維持という観点において有用であると推察された。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

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