演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

超高齢膵癌症例に対する外科的治療の適応に関する検討

演題番号 : P20-11

[筆頭演者]
宮本 敦史:1 
[共同演者]
浅岡 忠史:1、原口 直紹:1、山本 和義:1、三宅 正和:1、西川 和宏:1、宮嵜 道彦:1、池田 正孝:1、平尾 素宏:1、関本 貢嗣:1、中森 正二:1

1:国立病院機構大阪医療センター 外科

 

【背景・目的】近年の手術手技や周術期管理の進歩に伴い膵切除術の安全性は向上してきたが、侵襲の大きな治療法であるため高齢者に対する適応については未だ確立されたものはない。当科ではこれまで、膵癌症例に対する手術適応において年齢による制限は設けず、全身状態良好な症例には積極的に外科的治療を行ってきた。今回、我々は80歳以上を超高齢者と定義し、超高齢者膵癌症例に対する外科的治療の適応について検討した。【対象・方法】2006年4月から2012年12月までに施行した膵癌切除例138例を対象とした。このうち80歳以上(80-86歳)の14例を超高齢者群、79歳以下の124例をコントロール群とし、膵術後合併症の発生頻度および予後について検討した。【結果】超高齢者群の年齢の中央値は82歳(80-86歳)であった。超高齢者群14例の術前PSは0/1:13例、2:1例でコントロール群と比較して有意差を認めず、全身状態良好な症例が多かった。超高齢者に対して実施した術式は膵頭十二指腸切除(PD):11例、膵体尾部切除(DP):3例であった。PD施行例のうち術後合併症を来した症例は超高齢者群:5例、コントロール群:50例であり、発生率に差を認めなかった(p=0.58)。同様に、DP施行例で合併症を認めたのは超高齢者群:1例、コントロール群:10例で差を認めなかった(p>0.99)。合併症を認めた症例のうち何らかの侵襲的な処置を要したものは超高齢者群5例、コントロール群24例であり統計学的有意差は認めなかった(p=0.17)。しかしながらその内容をみると、コントロール群の大部分が膵液漏であるのに対して、超高齢者群では呼吸不全や重症不整脈など手術手技とは直接関係の無い合併症が含まれていた。超高齢者群では術後1年以内に2例が原病死、1例が他病死していたが、1年生存率は78.6%でありコントロール群と比較して有意差を認めなかった。(p>0.99)【結論】80歳以上の超高齢者であっても全身状態が保たれていれば膵切除は比較的安全に施行可能であり、短期的な予後は良好であった。したがって、年齢のみで超高齢者を膵切除の適応から外す必要はないが、呼吸・循環器系の合併症が重篤化する危険性があり注意が必要である。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

前へ戻る