演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

膵癌術後の体重変化と予後の関わり-術後栄養補助療法の可能性-

演題番号 : P20-7

[筆頭演者]
橋本 大輔:1 
[共同演者]
近本 亮:1、阿部 真也:1、林 洋光:1、別府 透:1、馬場 秀夫:1

1:熊本大学消化器外科

 

背景:近年、肥満、腹腔内脂肪量は大腸癌の予後不良因子と言われている。一方、膵癌術前の肥満度と予後の関連は評価が一定ではない。また膵は内分泌機能、外分泌機能の両者を有する栄養に関連の強い臓器であり、膵癌術後の膵機能の低下は各種栄養素の消化吸収障害をもたらしインスリン作用の欠乏はエネルギー喪失をきたすと考えられる。膵癌術後の体重変化と予後の関連はわかっていない。 目的:膵癌切除手術前後の栄養状態、術後の体重変化と予後の関連を明らかにする。方法: 2005年4月から2011年3月の間に当科で通常型膵癌に対して手術を行なった93例を対象とした。術前のBMI、術後二ヶ月および術後四ヶ月の術前からの体重変化率と予後との関連を解析した。結果: 男女比は44:49、年齢中央値は69(41-85)才であった。病期分類はUICC7th IA 13例、IB 5例、IIA 25例、IIB 50例であった。術式は膵頭十二指腸切除術55例、膵体尾部切除術36例、膵全摘術2例であった。術前BMIをBMI<20 (22例)、20<BMI<24 (48例)および24<BMI (23例)の3群に分けて解析したが、予後に有意差はなかった。術前に比した術後の体重変化率は、術後二ヵ月目が中央値-8.5%、術後四ヶ月では中央値-8.9%であった。それぞれについて中央値より体重減少率が小さい群(小変化群)と体重減少が大きい群(大変化群)の二群に分けて解析した。術後二ヶ月目の体重変化率では、5年生存率が小変化群36.5%に対して大変化群11.7%(p=0.033)、術後四ヶ月の体重変化率では5年生存率が小変化群34.2%に対して大変化群15.0%(p=0.014)で、いずれにおいても小変化群が有意に予後良好であった。腫瘍因子の影響を考慮し病期分類IA-IIA(43例)とIIB(50例)それぞれについて同様に解析を行ったところ、IA-IIAでは同様に小変化群で有意に予後良好であり、IIBでも有意ではないものの、小変化群で予後が良い傾向にあった。結語:膵癌術前のBMIと予後に関連はなかった。一方、特に進行度の低い症例においては膵癌術後の体重減少が有意な予後不良因子であると考えられた。術後長期の栄養補助療法が予後改善に寄与する可能性があり、今後導入を検討する。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

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