演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

膵頭十二指腸切除術後合併症発生における腎機能が及ぼす影響

演題番号 : P20-5

[筆頭演者]
長井 美奈子:1 
[共同演者]
庄 雅之:1、赤堀 宇広:1、木下 正一:1、野見 武男:1、山戸 一郎:1、北東 大督:1、中島 祥介:1

1:奈良医大 消化器・総合外科

 

【目的】膵頭十二指腸切除術(PD)は高侵襲手術であり,術後合併症は時に重篤化することがある.今回,術前腎機能と術後合併症との関連について retrospectiveに検討した.【方法】2009-2012年までにPDを施行した182例(平均67.1歳,男女比111:71)を対象とした.原疾患は膵癌/他の悪性疾患/良性疾患が各々96(53%)/51(28%)/35(19%)例.術式はPD/+門脈合併切除/+多臓器合併切除/+門脈・多臓器合併切除が各々115(63%)/ 58(32%)/6(3%)/3(2%)例.腎機能の評価には推算糸球体濾過量(eGFR)を用い,eGFR50(mL/min/1.73m2)未満を腎機能低下群,50以上を対照群とした.2群間において,術後合併症の発生率,重症度等について比較検討した.【成績】術前eGFR 50未満症例は18例(10%)であった.腎機能低下群の術後在院日数は,対照群に比し有意に長かった(P=0.006).術後合併症は124例(68%)にみられ,主な内訳は膵液漏(PF):32%,腹腔内膿瘍:11%,DGE:10%,SSI:7.6%であった.重症度分類であるClavien-Dindo分類(C/D)ではI:31(17%)/II:36(20%)/IIIa:45(25%)/IIIb:6(3%)/IVa:2(1%)/IVb:1(0.5%)/V:3(2%)であり,GradeIII以上は57例(31%)にみられた.全体の合併症発症率は2群間で有意な差を認めなかった.しかし,PF・B/Cは,腎機能低下群で対照群よりも有意に多く認めた(P=0.001).さらに腎機能低下群では,C/D分類GradeIII以上を,対照群に比して有意に多く認めた(67% vs. 27%,P=0.002).またPFを除く合併症においても腎機能低下例でGradeIII以上の症例を有意に多く認めた(P=0.003).【結論】術前腎機能低下症例におけるPDでは,膵液漏はじめ,GradeIII以上の重篤な術後合併症が起こり得る可能性が高いことが示唆された.術前腎機能低下症例では慎重な手術適応および術後管理が肝要と思われた.

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:その他

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