演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ともに体部癌をR0切除し得た家族性膵癌の2例

演題番号 : P20-3

[筆頭演者]
柏崎 正樹:1 
[共同演者]
瀧内 大輔:1、久保 維彦:1、柳澤 公紀:1、波多 豪:1、濱野 梨絵:1、箕畑 順也:1、吉岡 慎一:1、三木 宏文:1、辻江 正樹:1、小西 宗治:1、矢野 浩司:1

1:兵庫県立西宮病院外科

 

[はじめに]膵癌患者の約10%には家族歴があるとされる。特に家族性膵癌は1親等に2名以上の膵癌発症を指し、約9倍のリスクと報告されている。今回我々は、膵体部癌と十二指腸乳頭部癌の同時性重複癌を治癒切除した74歳女性と、その3年半後に膵体部癌をR0切除し得た55歳男性の親子を経験したので報告する。[症例1]74歳女性。上腹部不快感を主訴に近医で上部内視鏡検査を受け、乳頭部癌が疑われたため当院へ紹介された。精査の結果、乳頭部に25 mm大の非露出腫瘤型隆起性病変を認め、生検にて管状腺癌と診断した。加えて膵体部に20 x 18 mm大の腫瘤と尾側主膵管の拡張を認め、画像精査にて膵体部癌と診断した。T2N0M0, Stage IIの乳頭部癌とcT2N0M0,Stage IIの膵体部癌との同時性重複癌と診断し、膵全摘、門脈合併切除術を施行した。乳頭部癌はpT1N0M0, fStage I、fCur A、膵体部癌はpT2N1M0, fStage III, R0であった。術後腹腔内膿瘍を合併したことから腹壁瘢痕ヘルニアとなり、術後3年7ヶ月目にヘルニア修復術を施行したが、腹腔内に再発を認めなかった。術後4年10ヶ月経過し、PS 1で無再発生存中である。[症例2]55歳次男。海外赴任中に心窩部痛で発症し、急性膵炎として保存的治療を受けて帰国。MRCPにて膵体部での主膵管狭窄を指摘され、前医でERCP, EUS等の精査を受けた結果、膵液細胞診Class IIでセカンドオピニオン目的に当科へ紹介された。厳重に経過観察する方針とし、2ヶ月後に造影CTおよびMRIを再検したところ、主膵管狭窄部位に一致して腫瘤像の出現を認めたため切除の方針となった。膵体尾部切除術を施行し、pT2N0M0, fStage II, R0であった。術後補助化学療法としてGemcitabine療法を施行し、術後1年1ヶ月無再発生存中である。[考察]膵体部癌の切除率は依然として約10%とされる。乳頭部癌と膵体部癌の同時性重複癌をR0切除し得たこと、並びに、家族性膵癌の母子に発症した体部癌をともにR0切除できたことは極めて稀であり、文献的考察を含め報告する。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

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