演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

浸潤性膵管癌切除後長期生存の条件

演題番号 : P20-2

[筆頭演者]
南 裕太:1 
[共同演者]
矢後 彰一:1、遠藤 千穂:1、久保 博一:1、中山 岳龍:1、後藤 晃紀:1、川元 真:1、小西 隆行:1、本間 祐樹:1、高川 亮:1、渡邉 純:1、盛田 知幸:1、茂垣 雅俊:1、舛井 秀宣:1

1:横須賀共済病院 外科

 

【目的】浸潤性膵管癌は予後不良な癌の一つであり、肉眼的根治切除を施行しても、早期再発例が多く、5年以上の長期生存例は少ない。しかし、近年周術期の安全な管理による術後合併症の減少、適切な画像診断により、膵切除は膵癌治療の標準的な治療として確立され、長期生存例の検討がされるようになってきた。今回、我々は5年以上の長期生存を得られた膵管癌切除例について検討し、長期生存に関する因子を考察した。【対象と方法】対象は2002年から2012年までに当科で肉眼的治癒切除が行われた、IPMN由来の浸潤癌や特殊な組織型の症例を除いた浸潤性膵管癌患者40例。5年以上の長期生存例10例とその他の2群に分類し、臨床病理学的因子について検討した。【結果】肉眼的治癒切除を施行した全症例のMSTは28.8ヶ月であり、5年生存率は37.5%であった。長期生存例10例は平均年齢65.8歳で男女比5:5であった。10例の内訳はstage2が2例、stage3が5例、stage4aが3例で、stage4b症例はなかった。1例に膵体尾部切除、9例に膵頭十二指腸切除が施行され、そのうち2例は門脈合併切除を施行した。R0症例7例で、R1症例3例であった。10例中6例でリンパ節転移陽性であった。患者の希望で術後補助療法を施行しなかった1例以外は術後GEMの補助化学療法を施行した。10例中3例は無再発、2例は長期経過中に単発の肺転移を認めたが切除後無再発、2例は再発後生存経過中であり、3例は5年経過後に現病死した。長期生存群とその他の群では、臨床学的因子に差を認めなかった。病理学的因子では、長期生存例は全例高分化または中分化型腺癌であり、その他の群と比較して分化度が高い傾向であった(p=0.076)。また、長期生存群では、静脈浸潤が認められないまたは軽微である症例が5年以下の群と比較して有意に多く(p=0.007)、後方組織浸潤を認めない症例が多い傾向であった(p=0.069)。その他の因子では両群間に差を認めなかった。【結語】浸潤性膵管癌症例では、高分化または中分化腺癌で、後方組織浸潤がなく、静脈浸潤がないまたは軽微なものであれば、肉眼的治癒切除後長期生存が期待できると思われた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:疫学・予防

前へ戻る