演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

高濃度Cisplatinを用いた肝動注療法の実現に向けた動物モデルの構築と基礎検討

演題番号 : P18-8

[筆頭演者]
武部 敦志:1 
[共同演者]
福本 巧:1、木戸 正浩:1、田中 基文:1、木下 秘我:1、蔵満 薫:1、小松 昌平:1、福島 健司:1、浦出 剛史:1、宗 慎一:1、新関 亮:1、松本 逸平:1、味木 徹夫:1、具 英成:1

1:神戸大 肝胆膵外科

 

[背景]体外循環と活性炭吸着による分離肝灌流法として確立された経皮的肝灌流化学療法 (Percutaneus isolated hepatic perfusion : PIHP)は、進行肝細胞癌(HCC)に対する抗癌剤の高容量肝局所投与を可能としたが、Adriamycin / Mitomycin Cの奏効率は60-70%程度にとどまる。一方、HCCに対する基本薬剤であるCisplatin (CDDP)の細胞内移行は濃度に依存し高容量投与の効果が期待されるが、その腎毒性が課題である。また蛋白非結合型CDDPは、血中で速やかに細胞内移行性を有さない蛋白結合型CDDPへと変化するとされ、高容量投与の効率も不明であった。今回我々は、PIHPを用いたCDDP製剤の高容量肝局所投与の実現に向け動物モデルを構築し基礎検討を行った。[目的]CDDP動注時の薬物動態および活性炭吸着効率を明らかにする。[方法]体重10kg前後のビーグル若犬を用いた。左総腸骨静脈より脱血用カテーテルを肝背側下大静脈内に、送血用カテーテルは左外頚静脈内に留置した。肝上部下大静脈遮断下に肝静脈還流血を体外に誘導した。CDDP製剤(IA-call®)4mg/kgを固有肝動脈より20分間で動注し、同時に体外循環回路内で活性炭吸着を50分間行った。吸着前後の蛋白非結合型・蛋白結合型白金濃度を経時的に計測、動注直後および翌日の肝組織内白金濃度も計測した。[結果]PIHPを4匹のビーグル犬に施行した。動注開始後の肝静脈血内の非結合型CDDPは総CDDP中、平均97.3%・97.0%・94.9%・95.7%・5.6%(動注開始後5・10・15・20分・1日)の割合で計測された。蛋白非結合型CDDPの活性炭吸着率は平均89.9%・86.6%・81.2%・39.1%(動注開始後5・10・15・20分)。動注直後および翌日の肝組織内白金濃度は平均5942ng/mg・9034ng/mgであった。同量の動注のみをおこなった1匹の肝組織内白金濃度は9762ng/mg・10360ng/mgであった。[考察]動注時、肝へのファーストパス直後のCDDPは大部分が蛋白非結合型のままで、高濃度投与の効果が期待できる。また蛋白非結合型Cisplatinは活性炭フィルターにより高効率で吸着され、吸着後の肝組織内白金濃度も比較的維持可能なため、CDDPはPIHPへの使用可能な薬剤と考えられた。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:化学療法

前へ戻る