演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

巨大肝細胞癌に対しバルーン閉塞下TACEを施行した症例の検討

演題番号 : P18-7

[筆頭演者]
長谷部 千登美:1 
[共同演者]
細木 卓明:1、藤井 常志:1

1:旭川赤十字病院 消化器内科

 

【目的】肝細胞癌(以下HCC)に対する肝動脈化学塞栓術(以下TACE)は、外科的治療の適応とならない症例に対する治療法として広く行われているが、肝機能の温存と抗腫瘍効果増強のための手段として、バルーン閉塞下TACE(以下B-TACE)が提唱されている。今回我々は、巨大な初発HCCに対してこの方法を試み、その効果および合併症に関して、通常のTACEを施行した症例と比較検討した。【方法】対象は77歳男性の非B非C型肝硬変症例で、CTで計測した最大径が113x114mmのHCCである。B-TACEの方法は、主なfeederである右肝動脈をバルーン閉塞した上で、リピオドール+エピルビシンの懸濁液を動注し、ジェルパート1mm細片で塞栓術を施行した。CT所見で判定した治療効果ならびに術後経過につき、10cm以上の巨大HCCに対して通常のTACEを施行した4症例と比較検討した。【成績】B-TACE後におけるHCCのサイズの変化をSMA分岐部のレベルで経時的にみると、治療前113x100mm, 2週後110x96mm, 4週後105x89mm, 6週後107x85mmと、1ヶ月前後で径が約10%縮小して、その後徐々に増大していた。HCC内部のリピオドールの分布形態は、B-TACE後ではHCCのほぼ全体に点状あるいは不規則な塊状に分布していた。通常のTACE後の症例では、HCC内の一部に限局的に強い集積を認めるものの、全くリピオドールが貯留しない部位も見られたという点で、B-TACEとの差が認められた。治療後の副作用では、B-TACE症例では発熱の持続期間が長く、右側の胸水貯留を伴うなど、TACE症例よりも重い傾向がみられた。B-TACE症例で6ヶ月後に再度血管造影を行った際には、HCCの足側の腫瘍濃染が著明に低下しており、部分的には効果があったものと考えられた。【考察】B-TACEは、HCC結節へのリピオドール集積向上効果をもつといわれており、肝内多発HCCや巨大HCCに対する治療の一手段として提唱されてきている。今回巨大HCCで手術不能な症例に対し、B-TACEを試み、部分的に抗腫瘍効果が得られた症例を経験した。今後さらに症例を重ねて、B-TACEの適応・意義に関して検討していく必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:Interventiona

前へ戻る