演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

高度脈管侵襲を伴う進行肝細胞癌に対する肝動注化学療法を中心とした治療

演題番号 : P18-6

[筆頭演者]
永松 洋明:1 
[共同演者]
出口 章広:1、水上 直久:3、筒井 りな:1、鳥村 拓司:2、佐田 通夫:2

1:公立八女総合病院 肝臓内科、2:久留米大学 消化器内科、3:公立八女総合病院 放射線科

 

【目的】脈管侵襲を有する肝細胞癌(HCC)は、BCLCのstage分類ではadvanced stageとされsorafenibが選択される。当院では門脈本幹または一次分枝侵襲(高度脈管侵襲)を伴うHCCに対して、cancer freeを目標に肝動注化学療法(HAIC)を用いた治療を中心に行っている。当院における進行肝細胞癌に対するHAICの成績をretrospectiveに検討した。【対象】2003年6月から2012年12月の期間、当院にてHAICを行った89例の高度脈管侵襲を伴うHCC症例(平均年齢:68.1歳、平均最大腫瘍径:93.7mm、Child Pugh A/B/C:35/44/10例、Stage IV-A/IV-B:78/11例、Vp 3 / 4 :59 / 30例、Regimen NFP/LFP/その他:64 / 17 / 8例 )を対象とした。【方法】89例全例にリザーバーを用いてLow-dose FPまたはNew FPを中心としたHAICを行った。Child-Pugh A、B症例で可能な症例に対しては腫瘍塞栓に対し放射線治療(45~60Gy)を施行した。HAIC開始後の累積生存期間(OS)をKaplan-Meier法で示す。肝機能別、Vp別、Regimen別、抗腫瘍効果別に累積生存率(OS)をLog Rank検定で比較した。またVp3、Vp4症例では放射線治療併用の有無でOSを比較した。【結果】全体の動注効果は、CR/PR/SD/PD:11/41/22/15例(奏効率:58.4%)で、HAIC開始後のOSは1年/2年/3年:45/30/17%、中央値(MST)で12ヶ月であった。肝機能別ではChild-Pugh A/B/C:13 / 10 / 4ヶ月 (P<0.001)、脈管侵襲別では一次分枝 / 本幹:12 / 10ヶ月 (P=0.402)、Regimen別ではNFP / LFP / その他:15 / 6 / 9ヶ月 (P=0.025)であった。Child Pugh Cを除くVp3、Vp4症例79例のうち放射線治療を行ったのは26例でMSTは15ヶ月であった。効果別ではCR/PR/SD/PD:39/12/7/4ヶ月 (P<0.001)、cancer freeが得られたのは18例(20.2%)でMSTは39ヶ月であった。【結論】脈管侵襲を有する肝細胞癌に対するHAICにおいて肝機能良好でHAICの治療効果が認められると良好な成績が得られた。治療効果が得られた場合、肝切除などの追加により積極的にcancer freeとすることで肝機能が保持され長期生存も可能となる。進行肝細胞癌に対してはHAICを中心に治療を開始し、効果が得られない場合に治療を変更することが勧められる。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:化学療法

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