一般演題(示説)
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「チェックリスト」を用いたチーム医療としての大腸切除術の取り組み 演題番号 : P17-10
1:滋賀医科大 外科、2:滋賀医科大 腫瘍セ、3:滋賀医科大 臨床看護
2008年にWHOから安全な手術を遂行するためのガイドラインが出され、手術の際に「チェックリスト」を用いて患者の状態を把握することの有用性は医療安全の観点から世界の医療現場で認識されつつある。当院ではこのチェックリストを大腸切除術において導入し、チーム医療としての安全な手術を目指している。手術術式別に作成したチェックリストに従って手術の手順を明確にし、step by stepに操作を進めていくことにより、手術スタッフが共通の認識をもって手術を進めていくことができる。近年、普及しつつある内視鏡外科手術においてもチェックリストを用いることで、煩雑になりがちな手術手技や器具のセッティングをスムーズに行うことができるものと考える。術者・助手・腹腔鏡医および器械出し看護師・外回り看護師のメンバーが入れ替わっても、共通の手順で安全に手術を遂行でき、経験を重ねるにつれて手術チームとしての技術の向上が図れることが期待される。またチェックリストは単なる備忘録としてだけではなく、多職種で構成される手術チームのコミュニケーションを円滑にする潤滑油としての働きもあると考えられる。大腸切除術において高率に見られる手術部位感染(surgical site infection : SSI)を含めた術後合併症についても、チェックリストの導入により安全な手術が遂行され、合併症の低減に寄与できる可能性がある。当院での「チェックリスト」を用いたチーム医療としての大腸切除術の取り組みを紹介する。
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