演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当科における進行下部直腸癌に対する術前放射線化学療法

演題番号 : P17-9

[筆頭演者]
山口 悟:1 
[共同演者]
尾形 英生:1、勝又 大輔:1、井原 啓佑:1、上野 望:1、志田 陽介:1、中島 政信:1、佐々木 欣郎:1、加藤 広行:1

1:獨協医科大学 第一外科

 

【はじめに】進行下部直腸癌治療においては、欧米では術前放射線化学療法が標準治療とされている。我々は切除後の局所再発が高率に疑われる直腸癌や肛門温存が難しいと考えられる進行下部直腸癌に対して、術前治療として放射線化学療法を導入し、現在までに8例の治療を行っている。今回、その短期的な治療成績について検討した。【対象と方法】2011年9月より当科にて治療を行った進行直腸癌8例。平均年齢65.9(42-83)歳、男性6例:女性2例。術前治療の適応理由としては局所進行が4例、肛門温存目的が5例。照射プロトコールは所属リンパ節と側方リンパ節を含めた小骨盤照射50Gy/25分割照射を施行。化学療法として、UFT 300mg/m2, LV 75mg/bodyを放射線治療日に合わせた5投2休投与にて施行した。術前治療終了後8週で再評価を実施し、10週後に手術を施行した。【結果】術前治療の有害事象は全例に肛門痛を認めた。また高齢者症例1例においてG3の血液毒性を認めUFTの減量を必要とした。導入は入院で行ったが、高齢者症例を除き外来通院での治療が可能であった。5例は既に治療後評価・手術を施行した。いずれも治療前に比し、画像上腫瘍は著明に縮小し、治療後の内視鏡下生検はいずれも陰性であった。術式は肛門温存術3例(超低位前方切除術1例、部分的内肛門括約筋切除術2例)、腹会陰式直腸切断術2例であった。1例は病理学的に癌細胞の遺残なくcomplete responseであり肛門温存が可能であった。このpCR症例を含め4例(80%)にT因子のダウンステージングが得られていた。PET-CTにおけるSUV減少率は72%であった。また治療前後のCEA値の減少率は31%であった。【まとめ】進行下部直腸癌の治療オプションとして術前放射線化学療法を導入した。腫瘍縮小効果は高く、肛門温存率の向上や局所再発率の抑制に寄与する可能性のある有用な治療であると考えられた。今後も症例を蓄積して検討していきたい。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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