演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

超高齢者大腸癌の臨床病理学的特徴および治療上の問題点

演題番号 : P17-5

[筆頭演者]
松田 圭二:1 
[共同演者]
塚本 充雄:1、福島 慶久:1、赤羽根 拓弥:1、堀内 敦:1、中村 圭介:1、端山 軍:1、山田 英樹:1、土屋 剛史:1、野澤 慶次郎:1、橋口 陽二郎:1

1:帝京大学 外科

 

【目的】当科でも近年超高齢大腸癌患者の手術を行う機会が増えている.本研究では超高齢者大腸癌の臨床病理学的な特徴と治療の現状を検討し,今後の臨床に役立てることを目的とした.【方法】当科で2000年以降に治療が行われた85歳以上の大腸癌54病変を超高齢者群(以下,超高群),75歳未満の大腸癌1068病変を対照群として,各臨床病理学的項目に関して検討した. 【結果】85歳以上の超高群は全体の3.8%を占めた.平均年齢は,対照群で61.8歳,超高群で87.1歳であった.超高群で有意に女性の割合が高かった(P=0.001).また超高群で有意に右側大腸癌の割合が高かった(P<0.0001).併存症を有している率は対照群60%,超高群83%と超高群で有意に高かった(P=0.03).重複癌の割合は,対照群14%に対し,超高群30%と有意に高かった(P=0.008).根治度では有意差はみられなかったが,郭清度ではD3郭清が行われたのは対照群で59%,超高群で30%と対照群でより大きな郭清が行われていた(P<0.0001).手術時間平均は対照群が250分,超高群が183分と対照群で有意に長かった(P=0.0001).出血量は有意差がみられなかった.術後合併症は対照群26%,超高群41%と超高群に高く,特にせん妄(0.6% vs. 11%,P=0.0003)と呼吸器系(1.1% vs. 5.4%,P=0.02)は有意に超高群で高かった.術後在院日数は超高群で長い傾向にあり(平均が24日 vs. 28日,P=0.1),特に「30日以上」の長期入院の割合は対照群21%,超高群34%と有意に超高群で高かった(P=0.04).Stage別の五年生存率は,超高群で有意に低かったのはStage 3と4であった.死因の割合は,他病死が対照群で13%,超高群で33%であり,超高群では他病死の割合が有意に高かった(P=0.03).化学療法に関しては,CVポート挿入下で化学療法を行った超高齢者大腸癌症例は無かった.【結論】超高齢者大腸癌患者の場合,術前に併存症や重複癌の評価を行い,治療方針を慎重に決定し,可能ならば根治度を落とさない手術を行い,術後はせん妄や肺炎などの合併症に注意を払うことが重要であると考えられた.また術後の長期入院を避けるために,症例によっては退院後の方針(転院するのか帰宅するのか)を早期に立てて,術後の早いうちから家族と話し合っていくことが必要であると思われた.さらに高齢者群では他病死の割合が高いことから,大腸癌再発だけでなく他の疾患にも十分に留意することが望まれる.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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