演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌肝転移切除症例における宿主炎症反応と免疫反応からみた予後因子の評価

演題番号 : P17-3

[筆頭演者]
石崎 秀信:1 
[共同演者]
真方 寿人:1、土屋 和代:1、中島 真也:1、池田 拓人:1、前原 直樹:1、矢野 公一:1、大谷 和広:1、藤井 義郎:1、近藤 千博:1、千々岩 一男:1

1:宮崎大学医学部 腫瘍機能制御外科学

 

【背景と目的】Stage IV大腸癌の予後予測因子においては腫瘍側の因子を中心に様々な解析が進んでおり、近年では宿主側の因子に対しても検討が進んでいる。一方で大腸癌肝転移に限定した場合、宿主側の因子に関した予後予測因子の検討は少ないと考える。今回我々は大腸癌肝転移切除症例の宿主因子に着目し予後予測因子の解析を行ったので報告する。【対象と方法】2000~2008年まで当教室で肝切除を行った31例を対象とし、腫瘍因子と宿主因子について予後との関連性の評価を行った。Cox比例ハザードモデルを用いて各パラメーターの予後との相関について単変量解析で抽出し、有意差が認められたものを多変量解析で評価した。またKaplan-Meier法・log rank testによる生存解析を行った。宿主因子についてはmodified Glasgow Prognostic Score(mGPS:術前Alb値3.5g/dl、術前CRP値0.5mg/dlをカットオフ値としスコア化)とNeutrophil-Lymphocyte Ratio(NLR:術前好中球数とリンパ球数の比、カットオフ値4.1)の評価を行った。【結果】単変量解析では肝転移H分類、肝転移Grade分類、肝外転移の有無、術前NLRが有意な予後因子として抽出され、mGPSは予後に相関しなかった。多変量解析では肝外転移の有無と術前NLRのみが独立因子として同定され、生存解析においても肝外転移の存在(p=0.0037)とNLR4.1以上(p=0.0029)が有意に予後不良であった。【考察】Stage IV大腸癌の中でも肝切除例のみで評価した今回の検討では、担癌患者の栄養状態と全身性炎症反応を反映するmGPSは有意な予後因子として認められず、NLR4.1以上が肝外転移の存在と同様に予後不良因子として抽出された。肝切除が可能な肝転移症例に限定した場合は栄養状態や炎症反応よりも宿主の免疫反応の方が鋭敏に予後因子として反映すると考えられ、また肝転移の病態においては宿主免疫応答が重要な役割を果たしている可能性も考えられる。【結語】肝切除術前NLRは大腸癌肝転移切除症例における予後予測に有用であり、肝転移における宿主免疫応答の更なる解析が必要と考える。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:その他

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