演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

直腸癌術後局所再発予防としての術前化学放射線療法の有用性

演題番号 : P16-4

[筆頭演者]
山村 明寛:1 
[共同演者]
小野 文徳:1、平賀 雅樹:1、大村 範幸:1、高野 成尚:1、小野地 章一:1

1:仙北組合総合病院 外科

 

【はじめに】大腸癌治療ガイドラインによると,術前化学放射線療法(Neoadjuvant chemoradiotherapy: 以後NACRT)は臨床試験と位置づけられている.当院では局所再発予防を目的として,占拠部位がRa以下で深達度MP以深の直腸癌に対し,UFT+LVを併用した放射線照射を術前に施行し,さらに腫瘍がRbにかかる場合には側方郭清を行っている.【目的】NACRTの安全性および再発抑制効果について検討する.【対象】2007年〜2013年5月まで,直腸癌の診断にてNACRTを施行した患者は34例で,男:女=27:7,年齢中央値は62歳であった.【結果】放射線照射は平均43Gy施行されており,2例(5.9%)は放射線性腸炎で予定量まで照射できなかった.有害事象にて化学療法を中止した症例は5例(14.7%)であった.NACRT前の進行度はStage II:IIIa:IIIb=15:8:11例で,有意リンパ節腫大が認められた19例で見ると,PRが14例(73.7%)であり,明らかなPDは1例のみであった.側方郭清は21例に施行していた.周囲臓器浸潤にて切除不能が2例あり,切除を行ったが剥離面陽性となった症例を1例で認めた.病理学的進行度は,Stage I:II:IIIa:IIIb:IV=13:12:5:2:2例であり,NACRT前と比較しStage Iへダウンステージする症例が多くなっていた.組織学的効果判定はGrade 1a:1b:2:3=3:4:19:3例となっていた.局所再発は2例(5.9%)に認めたが,いづれも側方郭清を施行できなかった症例であった.また,遠隔転移再発を4例(11.8%)に認めたが,NACRT前進行度がStage III以上の症例であり,病理学的所見ではダウンステージしていたため術後補助化学療法はUFT+LVまたは施行しなかった症例であった.【まとめと考察】NACRTは比較的安全であり,局所再発抑制効果が高く,側方郭清と併施することでさらに有効であると思われた.しかし,病理所見でリンパ節転移が陰性でも,NACRTによって転移が消失した可能性もあり,術前の進行度を加味して術後補助化学療法を積極的に考慮した方が良いかもしれない.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:放射線治療

前へ戻る