演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌術後骨盤内再発症例に対する炭素イオン線治療 -群馬大学における初期治療経験-

演題番号 : P16-3

[筆頭演者]
岡本 雅彦:1,2 
[共同演者]
清原 浩樹:1,2、安藤 謙:2、吉本 由哉:2、斎藤 淳一:1,2、鈴木 義行:1,2、尾嶋 仁:4、浅尾 高行:3、桑野 博行:3、大野 達也:1,2、中野 隆史:1,2

1:群馬大重粒子線医学セ 、2:群馬大院・腫瘍放射線学、3:群馬大院・病態総合外科学、4:群馬県立がんセ

 

【背景】大腸癌は根治術後にしばしば骨盤内に局所再発を来たす。再発時には外科切除が第一選択であり切除不能例には放射線治療や化学療法が実施されるが、従来のX線による放射線治療の成績は満足行くものではなかった。炭素イオン線治療はX線と比べて殺細胞効果が高く、また線量分布が急峻であるという特徴を有するために、従来の放射線治療では治癒し得なかった腫瘍についても、有害事象を増やすことなく局所制御が可能である。当施設では大腸癌術後の骨盤内再発症例に対する炭素イオン線治療を行っており、その初期治療経験について報告する。【方法】対象症例は、2010年8月から2013年4月までに炭素イオン線により治療し、治療後半年以上観察しえた大腸癌術後切除不能骨盤内再発9症例で、年齢は51-68歳(中央値 62歳)、男女比は7 :2、原発部位は直腸8例、上行結腸1例で、全例が腺癌であった。再発部位は側壁4例、仙骨前3例、会陰部2例であった。病変と消化管(小腸、結腸)が近接した2例で、消化管有害反応の低減を目的として治療前にスペーサー挿入等の外科的処置を行った。炭素イオン治療は総線量73.6Gy(RBE)を16分割で4週間かけて実施した。【結果】全例で治療が完遂された。観察期間の中央値は 6か月(6-18か月)。治療の一次効果は治療後半年までの最大効果をRECIST基準で判定し、CR:PR:SDが4例:2例:3例であった。有害事象(CTCAE 4.0)は、急性期に皮膚炎 Grade 1が5例、泌尿器系有害反応 Grade 1が2例、Grade 2の虚血性腸炎が1例で認められたのみであり、通常の放射線治療で見られるような下痢、嘔気等の消化器有害事象は非常に軽微であった。 虚血性腸炎発生部位は人工肛門周囲部であり、炭素イオン線治療範囲外であった。 晩期有害事象(治療開始91日以降)としてはGrade 1の末梢神経障害が1例で認められた。 解析時点では、全例で局所制御が得られていたが、1例が腹膜播種により死亡、また3例で遠隔転移(肺・腹膜播種)が出現した。【結語】症例数・観察期間とも不十分ではあるが、初期効果は良好であり、有害事象も許容範囲であると考えられる。炭素イオン線治療は切除不能な大腸癌術後骨盤内再発例に対する有効な選択肢の一つとなる可能性がある。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:放射線治療

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