演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

他臓器浸潤を有する直腸癌に対する化学放射線療法の治療成績

演題番号 : P16-2

[筆頭演者]
佐藤 美信:1 
[共同演者]
前田 耕太郎:1、花井 恒一:1、升森 宏次:1、小出 欣和:1、松岡 宏:1

1:藤田保健衛生大学 下部消化管外科

 

【目的】他臓器浸潤直腸癌に対して初回治療として行った化学放射線療法(CRT)の治療成績を報告する。【対象および方法】初診時に遠隔転移を認めない原発性直腸腺癌のうち、術前のCTおよびMRI検査で膀胱、前立腺、精嚢、仙骨、内閉鎖筋のいずれかまたは複数に浸潤ありと診断された13例に対して初回治療としてCRTが施行された。放射線療法は総照射量を40~45Gyとし 1回照射量1.8~2.0Gyを20~25回に分割して照射した。化学療法は静注4例(5FU 500mg/bodyを放射線照射中に持続静注)、内服8例(UFT 300mg/m2 +Uzel 75mg/body 2例、TS-1 80mg/m2 6例)、SIR(CPT-11 80mg/m2、TS-1 80mg/m2)であった。【成績】腫瘍の主占居部位はRs 3例、Ra 2例、Rb 8例で、11例でCRT開始前に人工肛門が造設された。CRT中には治療の継続を妨げる副作用は認めなかったが、1例でCRT終了後に骨盤内膿瘍を発症し、CRT終了69日目に死亡した。CRT終了1月後の効果判定はCR1例、PR6例、SD6例で、12例で手術が施行された。術式は低位前方切除術(LAR)5例、骨盤内臓器全摘術(TPE)4例、マイルス2例、ハルトマン1例で術後9例に創感染を認め、腸管吻合部の縫合不全を2例、尿管回腸吻合縫合不全、膀胱切除部の縫合不全、骨盤内膿瘍、腸閉塞、肺炎を各々1例ずつに認めた。組織学的効果判定はGrade 1a 7例、1b 3例でGrade 2と3が各々1例ずつであった。根治度Aの手術を施行しえた9例中2例に肝再発を認めたが、7例は無再発生存中である。CRT終了70日目以降に手術が施行された10例のうち、CRT終了1月後の効果がPRであった5例は、全例でCur Aの手術が施行され、1例はTPEとなったが、4例では排尿機能と肛門機能を温存したLARが施行された。一方CRT終了1月後の効果がSDであった5例のうちCur Aの手術を施行しえた3例はいずれもTPEで、他に仙骨浸潤によるCur C症例と術中に肝転移が発見されたCur B 症例が各1例ずつであった。【結論】他臓器浸潤した直腸癌に対する術前CRTは腫瘍の縮小により、機能温存、根治性の向上が期待された。CRT終了1月後に30%の縮小が得られた症例の8割で、CRT終了70日目以降にも機能温存、根治手術が可能であった。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:放射線治療

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