演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

局所進行直腸癌に対する術前化学放射線療法の治療成績

演題番号 : P16-1

[筆頭演者]
徳原 克治:1 
[共同演者]
岩本 慈能:1、吉岡 和彦:1、中谷 和義:1、大石 賢玄:1、中根 恭司:1、權 雅憲:1

1:関西医科大学 外科

 

【目的】局所進行下部直腸癌に対する術前化学放射腺療法(NACRT)の有効性と安全性を検討した。
【対象と背景】2002-12年に造影CT, MRI検査にてcT3-4あるいはanyT, cN1-2と診断された下部直腸腺癌患者58例。男女比45:13、年齢中央値66歳、腫瘍部位はRa 6例、Rb 30例、Ra-Rb 4例、Rb-Ra 1例、Ra,b-P 1例、Rb-P 11例、P-Rb 2例、P 3例で、組織はtub1 22例、tub2 32例、por 3例、muc 1例であった。
【方法】放射線療法は対向4門照射を施行、16例に40Gy 、43例に50.4Gy照射した。化学療法は36例に5'-DFUR(533-800mg/m2/日)、18例にCapecitabine 1,650mg/m2/日、4例にS1 80 mg/m2/日を照射日のみ投与した。
【結果】56例にNACRTを完遂、抗腫瘍効果はPR 54例、SD4例、組織学的効果はGrade(G)1a-8例、1b-16例、2-27例、3-7例でG2以上が58.6%、G3が12.1%を占めた。有害事象として血液毒性はHb減少13例(G2以上4例)、白血球減少7例(1例)、好中球減少1例、血小板減少4例、非血液毒性は下痢19例(13例)、悪心3例(1例)、嘔吐2例(1例)、食欲不振8例(4例)、皮膚障害24例(8例)に認めた。施行手術はTPE 3例、APR 18例、LAR 27例、ISR 9例、非切除1例で、術後合併症は臀部創部感染3例、腸閉塞3例、人工肛門合併症3例、骨盤内膿瘍2例、縫合不全2例、放射線性腸炎1例、乳び腹水1例、腸炎由来の敗血症1例、神経因性膀胱1例、小腸炎1例に認めた。治癒切除施行53例の3年無再発生存/全生存率はそれぞれ、62.1/100%で、再発を15例に認めた(局所2例、肺5例、肝4例、遠隔リンパ節2例、腹膜播種1例、骨1例)。術後再発に関する重回帰分析(ステップワイズ法)では、組織学的抗腫瘍効果G1群(P=0.0159)および放射線照射量40Gy群P=0.0368)で再発率が有意に高値であったが、年齢、性別、抗癌剤の種類、術式、腫瘍組織型、壁深達度に有意差はなかった。NACRT効果予測因子として、治療前の末梢血好中球率が70%以上の症例で有意にNACRT効果が低かった(P=0.0069)が、血中のリンパ球率、Hb値、白血球値、アルブミン値、CEA値は効果に影響しなかった。
【まとめ】遠隔転移再発を13例(22.8%)に認めたが、局所再発率が2例(3.4%)に留まったことから、NACRTは局所制御に関して有効な治療法であると考えられた。また組織学的抗腫瘍効果がG2以上であれば再発抑制効果があると考えられた。また、治療前の末梢血好中球率がNACRTの抗腫瘍効果の予測に有効であると考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:放射線治療

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