演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

切除可能大腸癌肝転移に対する術前化学療法の適応基準設定に向けた検討

演題番号 : P14-4

[筆頭演者]
西躰 隆太:1 
[共同演者]
間中 大:1、濱洲 晋哉:1、小西 小百合:1、吉野 健史:1、神頭 聡:1、金井 俊平:1、光岡 英世:1、工藤 亮:1

1:京都桂病、消化器セ、外科

 

切除可能大腸癌肝転移(CRLM)に対する術前化学療法(NAC)については、長期生存で有意差を検出した報告は無く、また異時性や単発肝転移について効果に疑問を投げかける報告も見られ、適応を絞ることが求められている。当院では2008年より切除可能CRLM症例に多剤併用NACを行ってきた。Historical controlと比較してどのような患者群でNACの予後改善効果が得られるのかを検討したところ有意義な知見を得たので報告する。対象および方法:当院で2000年1月から2013年4月までに治癒切除を受けた肝外転移の無い切除可能CRLM症例63名を対象に、手術先行群(S群43名)とNACを受けた群(N群20名)に分け、無再発生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を比較した。PFS、OSは、S群では肝切除日を、N群ではNAC開始日を起点とした。肝転移個数、最大径、原発部位、リンパ節転移の有無、同時性/異時性などの各種因子と、NACの有無との関連を個別にlogrank検定によって検討した。結果:S群では半数に、N群では全例にFU剤を含む術後補助化学療法が行われた。それ以外に両群に偏りを認めなかった。PFSにおいてはS群、N群の間に全く差を認めず、3年PFSが約40%、中央値で約630日であった。OSではN群に良い傾向を認めた。肝転移個数との関連を検討したところ、単発肝転移ではPFSでN群がS群を下回った。反対に複数肝転移ではPFS, OSともにN群が良好で(p<0.1)、特に3個以上では有意差を持って(p<0.01)N群の生存曲線がS群を上回り、3年PFSはS群0%に対しN群33%と良好であった。最大径とNAC有無との関連を検討したところ、3cm未満の症例ではPFS, OSともにN群がS群を下回る傾向を認め、逆に3cm以上の症例ではPFS, OSともにN群がS群より有意に(p<0.05)良好で、3年PFSはS群27%に対してN群50%であった。最大径3cm未満でも転移巣3個以上の場合はN群が良好で、最大径3cm以上でも単発の場合には生存曲線が重なった。その他の因子では、外科的切除マージン陽性例でN群が良好なことを除き、生存曲線に有意な差を認めなかった。<結論>最大径3cm以上、3個以上の切除可能大腸癌肝転移に対しては、術前に多剤併用化学療法を行うことを推奨する。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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