演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

高齢者胃がん手術症例に対するKatz indexによるがんリハビリテーション介入の評価

演題番号 : P11-2

[筆頭演者]
吉村 哲規:1 
[共同演者]
松山 貴俊:1、本山 一夫:1

1:東京都立大塚病院 外科

 

【背景】近年,がん手術治療の周術期管理にがんリハビリテーションという概念が定着しつつある.当院では2010年ごろから特に高齢者のがん患者に対し,がんリハビリテーションとして,運動機能のみならず,栄養,呼吸,皮膚排泄,口腔,緩和といった各部門から系統的に客観評価し意見を交換し合い,術前後のADLの低下防止に取り組んでいる.ADLの評価には,簡便かつ必要十分で電子カルテから後方視的にも評価しやすいKatz indexによるスコアを用いている.【目的】高齢者の胃がん手術症例において,がんリハビリテーションの導入前の症例と,早期介入を導入した2010年以降の症例とにおいてADLの変化をKatz indexを用いて比較し,がんリハビリテーション介入の有用性について検討した.【対象と方法】当院で2005年から2012年までに手術治療を行った80歳以上の胃がん患者51例について,年齢,病期,手術,並存疾患,合併症の有無といった臨床項目の評価に加えて,手術前後のADLの変化をKatz indexを用いてスコア化して評価した.がんリハビリテーションの導入前後で比較検討を行った.また,Katz index以外のADL評価法についても一部検討し,それぞれの評価法としての認容性を比較検討した.【結果】がんリハビリテーション導入後,術前に呼吸,栄養,口腔などの改善期間を設ける傾向となり,術前の入院期間が若干延長した傾向であったが,一方ADL低下率の改善が認められ,術後の在院日数は短縮した.がんリハビリテーション導入後は合併症発生頻度が改善傾向にあることがADL低下を防いでいる一因と思われた.Katz indexは過去のカルテの情報からでもデータの欠損がほとんどなく,有用と思われた.【考察】高齢者の手術症例では,以前より術前に重要臓器の機能評価を慎重に行う,縮小手術を行うなど担当医の裁量のみで配慮をされていたが,系統的ではなかった.さらに以前は術前の入院期間を短縮させる方針でもあったため,十分な評価や合併症予防策がなされていなかった.最近では入院によってADLの改善や合併症予防が得られると判断された症例では術前入院期間をやや長めにとり,術前のリハビリテーションを導入している.がんリハビリテーションという概念から各部門の視野より多角的に評価・議論することで,各症例が持つ問題点と予防・解決法が明らかになる印象を受け,ADLの低下防止に一定の役割を果たしていると思われた.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:リハビリテーション

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