演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

高齢胃癌患者における開腹手術後の早期呼吸器合併症を予防するための取り組み

演題番号 : P11-1

[筆頭演者]
藤吉 健史:1 
[共同演者]
高田 尚美:1、影近 謙治:2

1:市立砺波総合病院 総合リハビリテーションセンター、2:金沢医科大学病院 リハビリテーション医学科

 

【はじめに】
 当院では開腹手術が行われる胃癌全例に対して術前から理学療法士が介入し、術後早期離床を行うことで早期呼吸器合併症予防に努めている。その取り組みの中で、今回は65歳以上の高齢者で、5年生存率も高く、術前化学療法の影響を除外可能なstage1a~2bを対象に後方視的に調査を行った。
【対象と方法】
 2007-2011年までに当院で胃癌に対して開腹手術が行われた287例の内、後述の調査項目をすべて満たした症例を抽出した。調査項目は、年齢(65歳以上)・性別・手術時間・手術の種類・術前肺機能・術後疼痛管理の種類・術後リハビリテーション(以下リハ)回数・術前PS・術後早期呼吸器合併症の有無・術後歩行の可否とした。呼吸器合併症の基準は主治医のカルテ記載とした。
84例が抽出され、平均年齢は74.5歳(65‐74歳:40例、75‐84歳:38例、85歳以上:6例)、男性60例、女性24例。進行度分類はstage1a:55例、stage1b:10例、stage2a:13例、stage2b:6例であった。
リハプログラムは手術前に1回指導を行い、術後1日目より早期離床を行い、術後病棟内歩行が安定した時点で終了することを基本プログラムとして365日体制で実施した。
【結果】
 術前PSはPS0:73例、PS1:9例、PS2:2例。術前肺機能検査値は平均的なものであった。手術は定型手術31例、非定型手術53例。平均手術時間は358.1±76.7分。術後疼痛管理は硬膜外麻酔72例、その他12例。術後リハ介入回数は6.8±4.6回。術後早期呼吸器合併症を発症したのは84例中4例(肺炎2例、無気肺2例)で発症率は4.7%であった。全例とも病棟内歩行は可能となった。
【考察】
 高齢胃癌患者に対して長時間手術にもかかわらず、類似した先行研究と比較しても呼吸器合併症の発症率も低い可能性があることが示唆された。また肺炎と判断した2例ともにNo‐SIRSであり、軽微な肺炎であったことが推察された。
短期間のリハ介入により全例で歩行能力を維持できたことも、術後QOLを考慮する上では有意義なことと考えられた。
【まとめ】
 高齢胃癌患者に対して術後早期離床に取り組むことで早期呼吸器合併症の予防に関与できる可能性があることが示唆された。しかしより詳細な評価は今後の検討課題である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:リハビリテーション

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