演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

予防薬set処方と加圧stocking・sleeve(3S)による乳癌nab-PTXの末梢神経障害対策

演題番号 : P102-18

[筆頭演者]
吉岡 大樹:1 
[共同演者]
森 善洋:1、小坂 幹子:2、大野 毅:3、吉村 敏朗:1

1:地方独立行政法人長崎市立病院機構 長崎市立市民病院 薬剤部、2:地方独立行政法人長崎市立病院機構 長崎市立市民病院 看護部、3:地方独立行政法人長崎市立病院機構 長崎市立市民病院 外科

 

【背景・目的】アルブミン抱合型パクリタキセル(以下,nab-PTX)は,乳癌化学療法のキードラッグの1つであるが,末梢神経障害や関節痛・筋肉痛が高頻度に出現し,重症化した場合には患者のQOLを著しく低下させる。特に末梢神経障害はnab-PTXの用量規制毒性であることが知られているが,現在のところ有効な予防・治療法は確立されていない。今回われわれは,nab-PTXによる末梢神経障害に対し,牛車腎気丸,メコバラミンおよびラフチジンの投与(予防薬set処方)と加圧stocking・sleeveの着用(3S)によるマネジメントを試み,末梢神経障害発現の予防効果について検討した。【対象・方法】2013年1月~4月までの期間に,長崎市立市民病院(以下,当院)でnab-PTXを投与予定された乳癌患者5例に対して,末梢神経障害対策としてnab-PTX投与開始時より牛車腎気丸7.5g,メコバラミン1.5mgおよびラフチジン20mg(いずれも1日量)のset処方と上下肢に加圧stocking・sleeveを24時間着用した(3S群)。一方,2012年6月~12月にnab-PTXの投与を受けた3S未実施患者7例を対照群として,末梢神経障害の発現状況をレトロスペクティブに比較した。末梢神経障害のgradeはCTCAE v3.0日本語訳JCOG/JSCO版に従って分類し,コース毎に観察された最も高いgradeを集計した。なお,本研究は当院倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】1コース終了時点での末梢神経障害の発現は,3S群5例中1例(grade1:1例),対照群7例中5例(grade1:4例,grade3:1例)にみられた。同様に4コース終了時点では両群ともすべての患者に末梢神経障害の発現がみられたが,3S群はすべてgrade1であったのに対して,対照群ではgrade2以上が4例(57%)を占めた。4コース終了時点でのnab-PTXのdose intensity(mg/m2/week)の中央値は,3S群86.7に対して,対照群では63.4であった。なお,両群ともに末梢神経障害によるnab-PTXの減量や中止例はなかった。【まとめ】3Sマネジメントはnab-PTXによる末梢神経障害の症状発現までの期間を延長し,さらに施行回数の増加によるgrade上昇を抑制することが示唆され,これによりnab-PTXの十分な投与量を維持できる可能性がある。

キーワード

臓器別:その他

手法別:支持療法

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