演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

注射用ホスアプレピタントに起因する静脈炎の軽減対策について

演題番号 : P102-15

[筆頭演者]
河野 えみ子:1 
[共同演者]
兼松 清果:2、岡崎 智:2、尾形 誠:3、金光 盟子:1、山下 博民:1、春藤 香:1、関田 理子:1、西岡 良子:4、黒畑 徳子:4、吉田 秀行:2

1:関西医科大学香里病院 薬剤部、2:関西医科大学 外科、3:関西医科大学 血液呼吸器膠原病内科、4:関西医科大学香里病院 看護部

 

【はじめに】当院では,悪心・嘔吐の支持療法は癌治療学会により作成された「制吐薬適正使用ガイドライン」に準じて実施している。アプレピタント内服時の服薬コンプライアンス改善を目的として,注射用ホスアプレピタントメグルミン(FAP)の使用を2012年3月から開始した。しかし,FAP投与時に血管炎・静脈炎が発生したため,軽減対策を検討したので報告する。【方法】催吐リスク高度抗がん薬の嘔気対策のpremedication:[従来]FAP150mg/生理食塩液100mLを投与後にデキサメサゾン注射液(DEX)13.2mg+5-HT3受容体拮抗薬/生理食塩液100mLを投与,[変更後] FAP150mg+DEX13.2mg+5-HT3受容体拮抗薬/生理食塩液100mL投与. [従来]と[変更後]のpremedicationによる静脈炎の発生を比較した。[変更後]のpremedicationを投与した患者を対象として,外来患者はアンケート調査票,入院患者は電子カルテを用いて,化学療法施行後1週間の嘔吐と嘔気,食事摂取量,倦怠感について調査した。【結果】従来のpremedicationでgrade4の静脈炎を発生したため,DEXを添加した5-HT3受容体拮抗薬にFAP150mgを混合したpremedicationに変更した。16症例(乳癌8症例,悪性リンパ腫2症例,肺がん6症例)に投与した結果,3症例に軽い血管痛の訴え(grade1)がみられたがホットパックの使用で改善し,投与継続が可能であった。従来のpremedicationで血管痛が発生し投与を中止した症例でも,変更後のpremedicationの使用で投与が可能となった。嘔吐は全症例中1症例(1回嘔吐)に発生したが,嘔気や食事摂取量低下は抗がん薬の種類により異なった。【考察】FAPの浸透圧比は約1.2,FAP150mg/生理食塩液100mLのpHは8.17と若干高い。英国王立看護協会のアルゴリズムでは輸液の浸透圧は500mOsm未満,pH5-9は静脈投与が可能であると記載されているが,grade4の静脈炎が発生した。そこで,薬剤の血管障害性に対して副腎皮質ステロイド製剤の混合により静脈炎が改善されたとのデータがあるため,我々はpremedicationのDEXをFAPに混合することで静脈炎の軽減効果を検討した。その結果、pHは6.20-7.55と中性に近づき,premedicationの投与時間も短縮され,血管炎の軽減効果が期待できるデータがえられた。しかし,ホットパックを使用した症例も5症例あった。今後,さらなるデータの蓄積と有効性の比較が必要になると考える。

キーワード

臓器別:その他

手法別:支持療法

前へ戻る