演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

消化管穿孔にて発症したoncologic emergency症例の検討

演題番号 : P102-10

[筆頭演者]
藤崎 滋:1 
[共同演者]
高階 幹:1、富田 凉一:2、櫻井 健一:3、高山 忠利:4

1:藤崎病院 外科、2:日本歯科大学 外科、3:日本大学 乳腺内分泌外科、4:日本大学 消化器外科

 

oncologic emergencyの中でも消化器癌の初発症状として起こる消化管穿孔は、緊急対処と病状の正確な把握を要する病態である。腹膜炎・敗血症からのより迅速で確実な離脱と癌の根治治療の追求が重要である。消化管穿孔をきたした消化器癌症例の特徴を明らかにするため、胃癌症例(A群)と大腸癌症例(B群)を比較検討した。対象はA群4例、B群13例で、年齢はA群;64歳から81歳(平均71.3歳)、B群; 52歳から77歳(平均62.2歳)、男女比はA群;2:2、B群;10:3。初回治療は、A群では一期的病巣切除例はなく、3例に大網充塡術・腹腔ドレナージ、1例に保存療法、B群;11例に癌部および穿孔部の切除・腹腔ドレナージ、2例にstoma造設・腹腔ドレナージ、穿孔性腹膜炎を乗り切ってからの手術は、A群;4例とも根治術、B群;初回癌部非切除例の1例に根治術を施行。癌の病期と癌遺残は、A群; Stage IIA, IIIA, IIIC, IVが各1例で、前者2例がR0、後者2例がR1、B群; stage II,IIIA,IIIB,IVがそれぞれ5例,3例,1例,4例で,他臓器浸潤は4例(小腸浸潤が3例、膀胱浸潤が1例)、遠隔転移は多発肝転移1例,腹膜播種2例,小腸転移1例、R0が10例、R2が3例。合併切除は、A群;1例に単発の肝転移あり同時肝切除、1例は膵浸潤・横行結腸浸潤かつS状結腸癌も合併あり、膵脾合併切除・結腸左半切除も同時に施行、B群;小腸転移巣切除を1例、小腸浸潤合併切除を3例に施行。穿孔部はA群;いずれも癌部、B群;癌部5例、非癌部7例(1例除き癌部に近接)、不明1例。術後合併症はA群;膵液瘻が1例(ISGPF grade A)、B群;敗血症1例、癌性腹膜炎1例、創感染・小腸穿孔1例。手術直接死亡はA群;なし、B群; 敗血症1例、癌性腹膜炎1例。在院死亡はA群;心不全1例、B群;癌死1例(非切除例)。術後化学療法はA群;2例、B群;8例に行われた。再発巣切除はA群;なし、B群;1例に肝転移切除(2回)および肺転移切除を施行。生存期間はA群;82日〜54ヶ月(中央値>23.0ヶ月)、2例が生存中、B群;2日〜>109ヶ月(中央値18.0ヶ月)、5例が生存中。穿孔性腹膜炎をきたした場合、胃癌は腹膜炎を直したあとでの進行度の評価と術式の選択の余地があるが。大腸癌は腹膜炎からの早期の離脱のために汚染源の完全除去が重要で、腹膜炎の急性期にも癌を含めた穿孔部の切除が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:その他

手法別:手術療法

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