演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

CVポートを用いた外来化学療法中に縦隔炎を発症した2例

演題番号 : P102-9

[筆頭演者]
新関 浩人:1 
[共同演者]
池田 淳一:1、山口 晃司:1、松永 明宏:1、宮坂 大介:1、長間 将樹:1、宮谷内 健吾:1、山田 徹:1、須永 道明:1

1:北見赤十字病院 外科

 

【はじめに】近年,外来化学療法の進歩によりCVポートの管理も長期化し,以前には見られなかった合併症も報告されるようになってきた.当科において留置したCVポート163例を2~4年間追跡調査したところ,2例(1.2%)で縦隔炎を発症していた.その経過と,それぞれの異なった発症機序を考察し報告する.【症例】症例1:55歳,男性.左鎖骨下にCVポートを留置してから10.6ヶ月で発症した.直腸癌の肝転移にてmFOLFOX6を施行中,20回目の化学療法後より胸痛・背部痛を自覚し,2日後に38℃の発熱を訴え来院.胸部CTにて,カテーテル先端が左腕頭静脈の分岐へ迷入することで,静脈炎から縦隔炎を発症したと推定された. 入院後CVポートを抜去し,縦隔炎は保存的に加療した.来院時に10.6だったCRPが,1週後には陰性化し軽快退院となった.症例2:42歳,女性.右乳癌の骨転移にてゾメタを投与中であった.左上腕へのCVポート留置から20ヶ月後に生食フラッシュしたところ前胸部・背部の違和感を訴え,CVポート造影にて左腕頭静脈・穿孔の診断を得た.胸部CTでは,周囲の出血を認めなかった.CVポートは抜去し,特に症状なく経過した.原因検索のため経過を検討した.6年前には左鎖骨下留置のCVポートを使用していたが,胸部CTにて著変なかった左腕頭静脈が,その3ヵ月後には狭窄していた. 同時期には血管障害性の薬剤は投与されておらず,留置カテーテルによる慢性の血管内膜障害による狭窄を疑った.本症例でもCVポートの長期留置による左腕頭静脈・狭窄が起こり,その部位で穿孔したと推測している.【考察】CVポート使用において,縦隔炎も遅発性合併症の一つとして注意すべきである.今回のように,生食フラッシュ時に胸部・背部の違和感や疼痛がある時は,カテーテル迷入や留置血管の穿孔を含めた異常を疑い,抗癌剤の投与前に原因究明を必要とする.

キーワード

臓器別:その他

手法別:化学療法

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