演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌化学療法時のCystatin Cによる腎機能評価の有用性

演題番号 : P102-8

[筆頭演者]
鈴木 千波:1 
[共同演者]
樋浦 一哉:2,6、渡部 由佳:3、越田 晋太郎:1、中島 淳太:4、大野 耕一:5、柴波 明男:1、江川(岩城) 祥子:6、渡辺 泰裕:6

1:JA北海道厚生連遠軽厚生病 薬剤科、2:JA北海道厚生連網走厚生病 薬剤科、3:JA北海道厚生連帯広厚生病 薬剤部、4:JA北海道厚生連帯広厚生病 第三内科、5:JA北海道厚生連帯広厚生病 外科、6:北海道薬科大

 

【目的】血清Cystatin C(Cys-C)は、血清クレアチニン(Cre)値と比較して腎障害の早期から血中濃度が上昇することが知られ、慢性腎臓病の早期診断マーカーとしての有用性が注目されている。それに対し、癌患者の腎機能評価におけるCys-Cの有用性についての報告は多くない。今回、胃癌患者のCys-C値を測定し、実測24時間クレアチニンクリアランス (24Ccr)値と、CreおよびCys-Cより求めた推定糸球体ろ過量(eGFR)を用い、化学療法導入時のCys-Cの腎機能評価における有用性について検討した。【方法】対象は平成23年4月〜平成24年11月までに、JA北海道厚生連帯広厚生病院でCapecitabine+cisplatin±Trastuzumab (XP±H)療法を行った胃癌患者5名。化学療法導入前の血清を用い、Cys-Cの測定を行いeGFR値を算出し、初回化学療法施行前の実測24Ccr値、日本人用GFR推算式によるeGFR値と比較した。Cys-Cの測定は、HUMAN CSTATIN C EL ISA (Bio Vendor、Czech Republic)を用いた。【結果】今回の検討では、どの症例においてもCockcroft & Gault(CG)式によるeGFR値は、実測24Ccr、日本人用GFR推算式、Cys-Cによる推算式によるeGFR値より低い値を示した。実測24Ccrより算出したeGFR値に最も近い値を示したのはCys-Cを用いたeGFR値であった。標準体格(1.7m2)の症例では、実測24CcrからのeGFR値、GFR推算式によるeGFR値、Cys-CによるeGFR値の乖離は少なかったが、体表面積が1.4m2、BMI 20以下の痩せ型症例で、CG式で算出したeGFR値は、実測24CcrやCys-Cを用いたeGFR値より低かった。【結論】5例ではあるが、全体を通して24CcrによるeGFRとCys-Cを用いたeGFRが最も乗離傾向が少なく、Cys-Cが今後の癌患者における腎機能評価マーカーとして利用できる可能性が考えられた。今回の研究では、レジメン開始時の実測24Ccrしか入手できなかったが、レジメンコース毎に24Ccrを測定することで、より詳細にCys-CによるeGFRと比較検討でき、その有用性を調べることができるのではないかと考える。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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