演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

モガムリズマブ投与中に中毒性表皮壊死症を発症した成人T細胞性白血病/リンパ腫症例

演題番号 : P100-10

[筆頭演者]
日野 紀子:1 
[共同演者]
神田 知亜:1、田中 豊子:1、大逸 しの江:1、丹波 和奈:2、河田 英里:2、内山 人二:2、赤荻 照章:2、小林 裕:2、大東 淳子:3、曽我 富士子:3、池田 佳弘:3

1:京都第二赤十字病院 看護部、2:京都第二赤十字病院 血液内科、3:京都第二赤十字病院 皮膚科

 

【はじめに】モガムリズマブ投与中に、重篤な皮膚粘膜障害である中毒性表皮壊死症(TEN)を発症した、成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATL/L)患者の看護を経験した。【症例】74歳女性。既往歴:72歳時に直腸がん手術、ストーマ造設。2012年8月ATL/Lと診断。初回化学療法に不応となり、同年12月より救援化学療法とモガムリズマブの併用治療を開始。4回目投与まではgrade 1の紅斑を認めるのみだった。5回目投与後4日目から発熱と限局性紅斑を認め、その後皮疹は全身に広がったが、外用ステロイド剤と抗ヒスタミン剤内服で改善。しかし、10日目に両踵部に有痛性の水疱と口腔粘膜のびらんを自覚。ただちにステロイド全身投与が開始されたが、皮膚粘膜障害は急速に悪化し、頭部を除く全身に広がった。皮膚生検の所見もあわせ、TENと診断。ステロイドパルス療法に続き、ステロイド後療法と免疫グロブリン投与が行われ、徐々に改善、上皮化し治癒した。上記経過中、重症熱傷患者に順じたケアを行った。局所療法としては標準予防策を徹底する事で感染症予防に努め、患部はアズノール軟膏と被覆材で保護した。皮膚科医師や皮膚・排泄ケア認定看護師と相談し、部位に合わせたガーゼ保護、軟膏の塗り方、洗浄の方法を図式化した手順書を作成した。スタッフ間でのケアの統一や継続が可能となり、患者負担となる処置時間の短縮につながった。さらに、皮膚患部から大量の浸出液を認めたため、患部ケアの際に被覆材の重量を測定し浸出液量を把握することで、循環管理につなげることができた。疼痛が著明で持続的な麻薬鎮痛剤の投与が必要だったが、疼痛スケールでの評価に基づいて鎮痛剤の増減を行い、症状緩和がはかれた。また、寝具の重みで疼痛が増強しないように、ベッド柵を利用して寝具が直接体にふれないような工夫をした。患者は全身の皮膚粘膜障害と浮腫のために体動が困難で、ナースコールを押せなかったが、ブレスコールを使用することで、疼痛時などに迅速な対応ができ、患者の不安の軽減につながった。【結語】TENは最も重篤な皮膚粘膜障害であり、その致死率は30-50%とも報告される。今回、血液悪性疾患の薬物療法中に上記を発症した患者看護を経験した。原疾患だけでなく、重篤な有害事象への治療と看護が必要な困難な症例であったが、各部門スタッフとの連携と工夫のもと看護を行うことができた。

キーワード

臓器別:造血器・リンパ

手法別:がん看護

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