演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

腫瘍切除で軽快し、再発により再燃した肝内胆管癌によるTrousseau症候群の一例

演題番号 : P100-9

[筆頭演者]
瀧川 穣:1 
[共同演者]
前田 大:1、尾之内 誠基:1、戸倉 英之:1、平畑 忍:1、高橋 孝行:1、藤崎 真人:1、清水 和彦:2

1:足利赤十字病院 外科、2:足利赤十字病院 検査部

 

【緒言】Trousseau症候群は悪性腫瘍に伴う凝固能亢進により動静脈血栓症を生じる病態で、比較的希な疾患である。診断された時点での腫瘍根治が困難な場合が多く治療に難渋する。その予後は極めて不良であり数ヶ月といわれている。今回腫瘍切除により臨床症状の改善を認め、長期間にわたりQOLを保つことができた症例を経験したので報告する。【症例】58歳の女性、2日前よりの着衣失行、短期記憶の低下を主訴に当院内科を受診した。MRIで同時性多発脳梗塞を認め、腹部CTで肝右葉に7cm大の肝内胆管癌を指摘され、悪性腫瘍由来のTrousseau症候群と診断された。下肢深部静脈血栓を認め、下大静脈フィルターを留置、ヘパリンによる抗凝固療法を開始した。しかし症状が増悪、両下肢の腫脹と疼痛を訴え、CTにて広範な静脈血栓を認めた。準緊急的に外科転科、肝内胆管癌に対し肝右葉切除を施行した。手術翌日より両下肢の腫脹が軽快、一週間後より歩行が可能となった。CT上深部静脈血栓の軽快、血液検査でも凝固能が改善し、術後3週間目に退院となった。病理学的には胆管明細胞癌 8.5cm 腫瘤形成型 eg fc(-) s2(横隔膜) vp1 vv0 va0 b2, T4 N0 M0 StageIVAであった。その後は外来にてGemcitabine+TS1による補助化学療法を施行した。1年後のCTにて肝内再発を認め、化学療法を変更したがPDとなった。このために切除を検討したが、胸部のCTにて多発肺転移を認め、さらに化学療法を変更した。肝転移の増大を認めた術後1年9ヶ月、再度脳梗塞を発症し内科に入院した。ヘパリンでの加療後ワーファリンに変更し退院となったが、退院直後に左中大脳動脈領域の広範な脳梗塞を発症、昏睡となった。ヘパリン投与にて一命をとりとめたものの、最終的には癌の進行を認め永眠された。全経過は2年であり、そのうちの1年9ヶ月間は海外旅行に行くなど質の高い生活を維持することができた。【結語】肝内胆管癌によるTrousseau症候群に対し、肝切除術を施行し症状を長期間コントロールできたが、再発により再度脳梗塞を発症した。文献的考察を加えこれを報告する。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:手術療法

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