演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

治療抵抗性の転移性心臓肉腫に対してパゾパニブを投与した一例

演題番号 : P100-3

[筆頭演者]
塚田 唯子:1 
[共同演者]
上田 尚子:1、杉山 圭司:1、平尾 磨樹:1、菊池 隆秀:1、渡辺 健太郎:1、大坪 諭:2、廣谷 隆:2、向井 清:3

1:東京都済生会中央病院 血液・腫瘍・感染症内科、2:東京都済生会中央病院 心臓血管外科、3:東京都済生会中央病院 病理科

 

心臓線維肉腫は極めて稀な疾患であり、しばしば診断に難渋し、治療法も確立されていない。我々は治療抵抗性の転移性心臓線維肉腫に対してパゾパニブを投与した症例を経験したため報告する。患者は37歳女性。2008年より労作時呼吸困難が出現し、左心房腫瘤・上腕骨・肩甲骨・大腿骨に骨破壊性腫瘤を認め、同年9月の骨生検で線維性異形成、10月の腫瘤生検で線維腫と診断された。定期的画像診断で骨病変に著変無く経過観察し、2011年3月の骨生検でも異形成と診断したが、骨シンチグラフィで全身に多発性集積を認め、心臓内腫瘤も増大したため、4月に心臓腫瘍を可及的に切除し、線維肉腫と診断された。6月に脳転移を認め放射線療法を開始、ドキソルビシン療法を6サイクル施行し奏功した。しかし、2012年2月より心臓内腫瘤は増大し、手術切除は施行困難と判断したため、ゲムシタビン、ビノレルビン投与および縦隔への放射線療法を行なったが腫瘤は増大した。更に肺および骨盤腔へ転移したため、12月よりパゾパニブ投与を開始したところ、病勢の指標であるLDHは低下した。しかし、嘔気・腹部膨満感が出現・増悪し、画像所見でも病勢の進行を認めたため、2013年3月に内服を中止、4月に永眠された。パゾパニブはmultikinase inhibitorであり、軟部組織肉腫への治療効果が期待されているが、これまで、心臓線維肉腫に対してパゾパニブが投与された報告例は見当たらない。本症例は心臓線維肉腫の診断および集学的治療の考察において有用な症例と考え、文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:その他

手法別:集学的治療

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