演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ULBP1/NKG2Dが発現した胃癌患者のバイオマーカーとしての意義

演題番号 : P10-10

[筆頭演者]
吉村 清:1 
[共同演者]
亀井 滝士:1、鈴木 伸明:1、恒富 亮一:1、渡邊 裕策:1、前田 訓子:1、前田 祥成:1、飯田 通久:1、武田 茂:1、上野 富雄:1、山本 滋:1、吉野 茂文:1、硲 彰一:1、岡 正朗:1

1:山口大学大学院 消化器・腫瘍外科学

 

【背景】ULBP1はNKG2D ligand(NKG2DL)のひとつであり腫瘍細胞表面に発現するNKG2DLは主にNK細胞等に発現している受容体であるNKG2Dによって認識され細胞障害をうける。【対象と方法】2004年から2008年までに当科で施行された胃癌切除手術のうち、病理学的に壁深達度がMP以深と診断された98例を対象とした。これらの腫瘍細胞におけるULBP1発現と腫瘍細胞周囲に存在する単核球のNKG2Dの発現を免疫組織学的染色によって評価し、臨床学的結果(再発と予後)と病理学的結果(組織型、壁深達度、癌の間質量・浸潤増殖様式および脈管侵襲、リンパ節転移の程度:胃癌取扱い規約第14版)との関連について検討した。【結果】今回の解析によって、浸潤単核球にNKG2Dが発現している胃癌患者の生命予後(術後生存日数)は有意に良好であった(p=0.022)。ULBP1が発現している胃癌患者の予後は良い傾向にあったが有意差は無かった。また、ULBP1発現は静脈侵襲の有無に有意に関連していた(p=0.0341)。それぞれの発現のコンビネーションを検索すると、ULBP1とNKG2Dを共に発現しているものが最も予後が良く、両方を発現していないものが最も予後が悪い傾向にあった。【考察】胃癌患者における単核球のNKG2D発現が良好な予後に関連があった。そのリガンドの一つであるULBP1については、NKG2Dと共に発現しているものが最も予後が良い傾向にあった。一般的には、ULBP1の発現と臨床データとの関連、あるいはそのメカニズムについては未だに不明な点が多いが今回の結果から、ULBP1/NKG2D間は抗腫瘍効果においてPositiveな関係であることが示唆された。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:バイオマーカー

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