演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌における血中遊離癌細胞の検出とHER2発現に基づく臨床応用への可能性

演題番号 : P10-9

[筆頭演者]
上之園 芳一:1 
[共同演者]
有上 貴明:1、柳田 茂寛:2、有馬 豪男:2、萩原 貴彦:2、原口 尚士:2、松下 大輔:2、平原 徹志:2、石神 純也:2、帆北 修一:3、夏越 祥次:1,2

1:鹿児島大学 分子応用外科学、2:鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科学、3:慈愛会今村病院 外科

 

胃癌において血中遊離癌細胞(Circulating Tumor Cell: CTC)を評価し、その特性を明らかにすることは、再発予測や化学療法の効果判定のみならず分子標的治療薬を含めた治療法の個別化として有用となる可能性がある。【目的】胃癌症例においてCTCを形態学的に診断可能なCellSearchを用いて検出し、臨床的意義およびCTCにおけるHER2発現の有無を検討した。【対象・方法】胃癌患者256例(切除胃癌148例、切除不能・再発胃癌103例)を対象とした。切除および化学療法前の静脈血7.5mlを採取し、CellSearchにより磁気ビーズ標識の抗EpCAM抗体でCTCを分離し、CytokeratinとDAPIにより蛍光免疫染色を行い、CD45染色にて陽性のものを白血球として除外し、CTC数を測定した。切除不能・再発例の45例では化学療法前後でのCTC数の測定を画像診断に併せて行った。また切除不能・再発胃癌の36例においては、CTCにおけるHER2発現を蛍光免疫染色により評価した。【結果】切除例で16例(10.8%)、切除不能・再発例で62例(60.2%)にCTCが検出された。切除例での臨床病理学的検討ではT因子、N因子、遠隔転移、stage、リンパ管侵襲、静脈侵襲と相関を認め、CTCの有無による予後、無再発生存期間には有意差を認めた(p<0.0001、p<0.0001)。さらに多変量解析ではCTCの有無のみが独立した予後因子であった(p=0.024)。切除不能・再発例においても、CTCの有無により予後に有意差を認めた(p<0.0001)。化学療法前後でCTCを測定した45例では、画像診断による効果判定とCTC数の増減には相関を認めた(p<0.0001)。HER2発現を検討した36例では、CTC陽性は25例(69.4%)であった。25例中で生検組織HER2陽性は6例(24%)、CTCのHER2陽性は10例(40%)であり、その一致率は60%であった。生検組織とCTCでのHER2発現の不一致は再発例において多い傾向にあった。【結語】本法によるCTC検出は胃切除例において再発および予後予測因子となる。また、切除不能・再発例では、化学療法の治療効果の評価のみならず、HER2を指標とした分子標的治療薬の選択にも有用となる可能性がある。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:バイオマーカー

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