演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

口腔への転移性癌症例の検討

演題番号 : P1-10

[筆頭演者]
網野 かよ子:1 
[共同演者]
林 典子:3、鬼木 俊太郎:4、綾田 昌弘:5、中澤 光博:2、濱田 正和:2

1:西宮市立中央病 歯科口腔外科、2:大阪大院歯学研究科顎口腔病因病態制御学講座、3:西宮市立中央病 内科、4:西宮市立中央病 皮膚科、5:西宮市立中央病 病理科

 

口腔領域への他臓器癌からの遠隔転移はまれであり、またその予後は不良である。今回私たちは2011年4月から2013年3月までの2年間に口腔領域への転移性癌3例を経験したので、若干の考察を加えて報告する。症例1:77歳、男性。食欲不振を主訴に当院外科を受診。各種検査にて進行胃癌と判明したが、外科における検査中に口腔内の腫瘤を発見され、口腔外科紹介となった。右側下顎臼歯部に表面凹凸を示す腫瘤を認め、試験切除の結果、腺癌と判明した。患者は当院受診後、23日で腫瘍死した。症例2:70歳、男性。左側頬部の腫脹と顎関節痛を主訴に当院口腔外科を受診。左側頬部に弾性硬、瀰漫性の腫脹を認めたため、CT撮影したところ、左側下顎枝部に骨溶解性変化を認め、これを中心に約50mmの腫瘤形成を認めた。転移性腫瘍を疑い、PET検査施行、PET検査の結果より大腸癌が疑われたため、内科紹介。内科にて各種検査施行。胸腹部CTでは肝両葉多発腫瘍、門脈本幹内腫瘍栓、恥骨骨破壊の所見を呈した。しかし、原発巣は判明しなかった。顔面部の腫脹は増大し、疼痛の増悪を認めたため、放射線照射を施行したところ、顔面の疼痛と腫瘍の増大はコントロールされたが、当院受診後、3か月で腫瘍死した。ご家族の希望もあり病理解剖を施行。膵癌が判明した。症例3:68歳、男性。右側舌先部の腫瘤形成にて口腔外科を受診した。口腔外科受診3年前に食道癌の治療を受けていたが、アルコール性肝障害のため、手術は行えず、放射線治療が選択されていた。舌先部の表面粘膜は正常で舌内部に径約8mmの腫瘤を認めた。病歴より転移性腫瘍を疑い、舌腫瘍の切除を行ったところ、扁平上皮癌であり、食道癌の転移であると考えられた。患者の予後は口腔の転移巣よりも原発巣に依存することが多い。しかし、口腔領域は疼痛や機能障害をきたすことが多く、各症例ごとにQOLの改善を考慮することが重要と考えられた。

キーワード

臓器別:口腔

手法別:その他

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