演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

センチネルリンパ節生検と血清 interleukin-6 を用いた口腔扁平上皮癌患者の予後予測

演題番号 : P1-9

[筆頭演者]
合田 啓之:1 
[共同演者]
岡本 正人:2、中城 公一:1、田野 智之:1、藤田 陽平:1、藤田 知信:2、河上 裕:2、浜川 裕之:1

1:愛媛大学大学院医学系研究科 口腔顎顔面外科学講座、2:慶応義塾大学大学院医学研究科先端医科学研究所 細胞情報研究部門

 

近年,多くのがん種において interleukin-6 (IL-6) が腫瘍の増殖,転移に関わっており,予後予測因子としての有用性が報告されている.しかし,口腔扁平上皮癌における報告は少ない.そこで我々は,センチネルリンパ節生検を施行した口腔扁平上皮癌患者 (Stage I & II ) における術前血清 IL-6 の予後に与える影響について検討した.2006 年から2012 年までに当科にて口腔扁平上皮癌 (cStage I & II ,cT1-2 N0) と診断され,センチネルリンパ節生検および根治的手術を施行した 42 例を対象とした.センチネルリンパ節の同定は放射性同位元素スズコロイドを用いて行い,リンパ節転移の評価は迅速病理診断及びone step nucleic acid amplification (OSNA 法) を用いた.また,術前に患者より血清を採取し, ELISA 法にて術前血清中の IL-6 値を測定した.disease-free survival (DFS) を主要評価項目として,Log-rank 検定を行った.P < 0.05 を有意差ありと判断した.血清 IL-6 値 20pg/ml をカットオフ値と設定した.センチネルリンパ節生検を施行した早期口腔扁平上皮癌患者 42 例において,術前血清 IL-6 値 low 群は high 群に比較して DFS が延長している傾向が認められたが,有意差は認められなかった (P=0.07).42 例中 7 例 (16.7 %) にリンパ節転移が認められ (cN+), 5 例 (11.9%) に隣接組織への浸潤 (pT4) が認められた.その結果 33 例が pStage I & II に分類された.これらの 33 症例において術前血清 IL-6値 low 群は high 群に比較して DFS が有意に延長していた(P=0.02).そのうち,少なくとも 2 年以上の経過観察を行っている IL-6 low 群26 例に関しては無病生存率が 100 %であった. センチネルリンパ節生検による定義された早期口腔扁平上皮癌患者 (Stage I & II) において,術前血清 IL-6 値が有効な予後予測因子となりうることが示唆された.

キーワード

臓器別:口腔

手法別:バイオマーカー

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