演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

横紋筋肉腫細胞に対するセロトニンを用いた新規DDSの有用性

演題番号 : P1-8

[筆頭演者]
鈴木 見奈子:1,2 
[共同演者]
川上 未有希:1,2、大山 晃弘:3,4、石川 博:3,4、中原 貴:4、田中 彰:5、又賀 泉:1

1:日本歯科大 新潟生命歯学部 口腔外科学講座、2:日本歯科大 新潟生命歯学部 先端研究セ 再生医療学、3:日本歯科大 生命歯学部 NDU生命科学講座、4:日本歯科大 生命歯学部 発生・再生医科学講座、5:日本歯科大 新潟病院 口腔外科

 

【目的】胞巣型横紋筋肉腫は予後不良で、治療抵抗性を示し臨床上苦慮することが多い。今回胞巣型横紋筋肉腫より細胞株NUTOSを樹立し、セロトニンが細胞内に取り込まれることを発見した。そこでNUTOS細胞を用いて、セロトニンと抗癌剤を結合させ、横紋筋肉腫腫瘍細胞内へ特異的に取り込ませる新規DDSを検討したので報告する。【方法】17歳女子の舌に生じた胞巣型横紋筋肉腫を継代培養し、NUTOS細胞株を樹立した。NUTOSをセロトニンに添加した培養液で培養し経時的に培養液中のセロトニン量を測定した。さらにセロトニン無添加培養液あるいは抗セロトニン抗体を添加しセロトニン活性を消失させた培養液を用いて、細胞内へのセロトニンの取り込みを調べた。セロトニン-各種抗癌剤結合薬剤は、セロトニンと各種抗がん剤を中性付近にコントロールしたPBS中で混合し化学結合させて作製した。抗癌剤としてはPTX,CDDP,CPA,ADM,CBDCAを用いた。細胞がコンフルエントになった後、培養液を除去し、セロトニン-各種抗癌剤結合薬剤を添加し15時間培養した。その後トリパンブルーを用いて生存細胞数を求め、セロトニン-抗癌剤結合薬剤による抗腫瘍効果を検討した。またそれぞれの細胞株におけるセロトニン特異的レセプターの存在をRT-PCRにて確認した。【結果】セロトニンを添加した培養液でNUTOSを培養したところ、培養液中のセロトニン量が減少し、細胞は自動蛍光を認めた。しかし抗セロトニン抗体を添加し培養液中のセロトニン活性を抑制すると、細胞の自動蛍光は認められなくなった。 NUTOSおよび乳腺の胞巣型横紋筋肉腫株(HUMENS)にセロトニンと各種抗癌剤を結合させた薬剤を作用させたところ、用量依存的に著しい抗腫瘍効果を認めた。一方セロトニンを取り込まない子宮内膜癌株、卵巣癌株、胃癌株ではセロトニン-抗がん剤結合薬剤群は抗癌剤単独群と同程度の抗腫瘍効果を示すにすぎなかった。また、NUTOS細胞におけるセロトニンレセプターをRT-PCRにて調べたところ、5-HT1Aに発現が認められた。【考察】我々が樹立したNUTOSとHUMENSはセロトニンを特異的に細胞内に取り込むことが明らかになった。この性質を利用してセロトニン-抗がん剤結合薬剤を横紋筋肉腫細胞に作用させたところ、著しい抗腫瘍効果を示した。これはセロトニンによるDDSが機能していることを示唆するものである。細胞内へのセロトニン取り込み様式については、現在検討中である。

キーワード

臓器別:口腔

手法別:基礎腫瘍学

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