演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

口腔扁平上皮癌の遺伝子ネットワーク解析

演題番号 : P1-5

[筆頭演者]
恩田 健志:1 
[共同演者]
林 宰央:1、加藤 宏:1、長谷川 大吾:1、森川 貴迪:1、大金 覚:1、野村 武史:1、高野 伸夫:1、柴原 孝彦:1

1:東京歯科大学 口腔外科学講座

 

【目的】本研究ではプロテオミクス解析によりリストアップした口腔扁平上皮癌関連遺伝子産物群について、遺伝子相互間ネットワークの解明を試みた。【材料および方法】口腔扁平上皮癌由来細胞株6株、コントロールとして表皮角化細胞株1株を使用した。方法は2D-DIGE法、LC/MS/MS法を用いて統計学的に発現差異のあるタンパク質群を同定した。リストアップされたタンパク質群については、Swiss-Protデータベースを使用し、GO Slim機能解析およびPathway解析を行った。【結果】口腔扁平上皮癌由来細胞株に共通して発現異常を示す92種類の遺伝子産物を同定した。GO Slim機能解析の結果、これらのタンパク質群の局在は細胞全体が最も多く、次いで細胞内、細胞質であった。分子機能では結合に関与するタンパク質が多かった。生物学的なプロセスでは生物学的プロセスの制御、代謝過程、輸送に関与するタンパク質が多かった。また既知のタンパク質核酸データベースから遺伝子ネットワークにアクセスした結果、29の既知pathwayがヒットした(WikiPathways)。最も多く標的タンパク質が含まれたpathwayは6種類のタンパク質を含むmRNAのプロセッシングに関与するネットワークであった。さらにIngenuty Pathway analysis softwareにより検索すると、細胞の成長・増殖、細胞周期、細胞死、シグナル伝達に関与するPathwayがヒットした。【考察】mRNAのプロセッシングに関するPathwayは癌関連遺伝子の修飾制御に関連しているネットワークで、口腔扁平上皮癌において機能の破錠を来たしている可能性が示唆される。EGFRは切除不能再発転移性非小細胞肺癌や乳がんに対する分子標的治療のターゲットとなっているKey Pathwayである。Insulin Signalingに関するPathwayは細胞の糖代謝などのエネルギー代謝に関連し、口腔扁平上皮癌のエネルギー獲得状況を理解する上で重要なネットワークである。これらの遺伝子ネットワークをさらに追及し解析を行うことで、口腔扁平上皮癌の診断をはじめ、治療前の予後の予測・予後の判定、テーラーメイド治療、分子標的治療のターゲット、再発・転移のバイオマーカーとして応用できる可能性が考えられた。

キーワード

臓器別:口腔

手法別:バイオマーカー

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