演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

蛍光プローブgGlu-HMRGによる口腔扁平上皮癌の検出

演題番号 : P1-4

[筆頭演者]
嶋根 哲:1 
[共同演者]
相澤 仁志:1、斉 芳芳:1、肖 鉄朋:1、鎌田 孝広:1、小池 剛史:1、上原 忍:1、浦野 泰照:2、栗田 浩:1

1:信州大学 医学部 歯科口腔外科学講座、2:東京大学大学院医学系研究科 生体物理医学専攻 生体情報学

 

【目的】癌細胞は浸潤能があり周囲正常組織に浸潤し、正常組織との境界が不明瞭である。癌の範囲を正確に診断することは、治療および予後に重要である。癌の範囲の診断における生体染色の試みは、口腔領域ではヨードグリセリン等を用いた生体染色が行われるようになったが、これらの染色法は粘膜表面における拡がりの診断には有用性は認められるが、深部の浸潤癌範囲を診断することはできない。東京大学大学院医学系研究科で開発された蛍光プローブɤ-glutamyl hydroxymethyl rhodamine green (gGlu-HMRG)は、ɤ-glutamyltranspeptidase活性が増加している癌細胞を特異的に発色させることができるため、周囲正常組織との識別が可能になると期待されている。そこで今回われわれは、口腔癌における本蛍光プローブの有用性について組織、細胞レベルで検討を行ったのでその概要を報告する。【対象および方法】Study in vivo: 2012年8月から13年2月迄に信州大学医学部附属病院にて切除手術を行った未治療口腔扁平上皮癌10例を対象とした。切除標本に対しgGlu-HMRGをスプレーし継時的に蛍光発現を観察した。蛍光検出の結果を同標本の病理組織像と比較検討した。Study in vitro:口腔正常上皮細胞(NHEK)と口腔癌細胞株 (SQUU-A, B, Ca9-22, HSC2, HSC3)を対象とし、蛍光プローブを培地に添加し30分後に蛍光強度を測定し、比較検討した。【結果】Study in vivo: 正常組織と口腔扁平上皮癌組織との蛍光検出の違いにより区別することが可能であった。gGlu-HMRGによる口腔扁平上皮癌組織の検出は病理学的診断と10例中8例で一致した。一部発現過剰および、一部発現不足症例がそれぞれ1例ずつ認められた。Study in vitro: NHEKは口腔扁平上皮癌細胞株すべてと蛍光強度で統計学的に有意差( Mann-Whitney U test, P < 0.001)を認めた。【結論】本蛍光プローブにより、臨床的に口腔扁平上皮癌組織と正常組織を非侵襲的かつ短時間で識別可能であった。細胞レベルでの研究においてもNHEKと口腔扁平上皮癌細胞を識別することは可能と考えられ、悪性腫瘍診断の補助検査手段としての可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:口腔

手法別:診断

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