演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

頭頸部癌の放射線化学療法下の口腔粘膜障害に対するグルタミンの有用性に関する研究

演題番号 : OS9-5

[筆頭演者]
辻本 貴江:1,4 
[共同演者]
山本 佳史:2、猪原 秀典:2、高木 達也:1、上島 悦子:1、林 紀行:3、前田 和久:3、伊藤 壽記:3

1:大阪院 薬学研究科、2:大阪院 医学系研究科 耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座、3:大阪院 医学系研究科 生体機能補完医学講座、4:神戸学院大 薬学部

 

【目的】近年、頭頸部癌の領域では、外科的根治手術の代替療法として放射線化学療法が施行されることが多い。しかし、有害事象の1つである口腔粘膜炎は、疼痛や食事摂取の低下を引き起こし、治療の継続を妨げ、患者のQOLを低下させる。我々は、当科における介入前の、粘膜障害の発生状況を後ろ向きに調査し、本学会第49回学術大会にて発表した。症例数は68例(男性62名)、年齢中央値は68歳(42-83歳)、部位は、口腔4例、上咽頭6例、中咽頭14例、下咽頭27例、喉頭12例、その他5例であった。粘膜炎は全患者に発生し、グレード3(CTCAE ver.3.0)以上の重症度の高い粘膜炎が口腔56名(82%)、咽喉頭部64名(94%)、罹患期間の平均値±SDはそれぞれ34±17日、29±9日であった。粘膜障害による治療延期が18%(12/68)の患者に見られた。そこで今回我々は、口腔粘膜障害に対するグルタミンの有用性を検討するため、無作為化プラセボコントロール二重盲検並行群間試験を行った。【方法】2010年5月から現在までに当科において、頭頸部癌と診断され、放射線化学療法が施行された患者を、グルタミン投与群ならびにプラセボ投与群に無作為に分け、主要評価項目を粘膜障害の発生状況とし、臨床試験を行った。【結果】臨床試験は、この要旨提出時(5月8日)で継続中であるが、7月中に終了予定である。以下は、目標症例数40例のうち23症例での結果である。23症例中(男性20名)、年齢中央値は63歳(38-81歳)、部位は、中咽頭13例、下咽頭7例、喉頭3例であった。粘膜炎は全患者に発生し、グレード3以上の粘膜炎が口腔14名(61%)、咽喉頭部22名(96%)、罹患期間の平均値±SDはそれぞれ15±16日、29±14日であった。粘膜障害による治療延期が4%(1/23)の患者に見られた。【考察と結論】グレード3以上の口腔粘膜炎の発生率、罹患期間は、介入前に比して、介入後にそれぞれ有意に低下している(発症率82% vs. 61%, p<0.047. 罹患期間34±17日 vs. 15±16日, p<0.001)。今後、臨床試験終了後に、キーオープンして、両群間での統計学的解析を行い、口腔粘膜炎に対するグルタミンの有用性を検証し、本学会にて発表する予定である。

キーワード

臓器別:頭頸部

手法別:臨床試験

前へ戻る