演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

頭頸部癌セツキシマブ使用に際してKRAS変異解析は真に不要か?

演題番号 : OS9-4

[筆頭演者]
太田 陽介:1 
[共同演者]
辻野 佳世子:1、副島 俊典:1、米澤 宏一郎:2、平山 裕次:2、岩江 信法:2、須藤 保:3、佐久間 淑子:4

1:兵庫県立がんセンター 放射線治療科、2:兵庫県立がんセンター 頭頸部外科、3:兵庫県立がんセンター 研究部、4:兵庫県立がんセンター 病理診断科

 

【目的】欧米の頭頸部癌治療戦略に大きなインパクトを与えているセツキシマブの適応承認は、国内頭頸部癌治療の現場から大きな期待を集めている。一方、先行する大腸癌(腺癌)の臨床研究においては切除不能・再発既治療患者の約4割にのぼるKRAS遺伝子変異陽性症例でセツキシマブの有効性が確認されていない。頭頸部扁平上皮癌には少ないとされるKRAS変異について、当院の既治療中咽頭癌症例を解析することで日本人における頻度や他の背景因子との関連を明らかにする。【方法】2002~2007年に当院で根治的な集学的治療が行われた66例のうち生検あるいは手術時パラフィン包埋標本からのゲノムDNA抽出が可能であった54例(82%)を検討対象とした。KRAS変異解析にはダナフォーム社SmartAmp法にてcodon 12, 13を、またEGFR変異解析にはアークレイ社i-densyにてexon 19欠失とexon 21 L858Rについて検討した。HPV-DNAの検出には7種のハイリスク型HPVのPCR解析を行った。【結果】2例(3.7%)にKRAS変異を認めた。EGFR変異は認めなかった。KRAS変異陽性症例はいずれもHPV関連癌であり1例は7年無再発生存中、1例は頸部再発後に肺転移を経て原癌死していた。【考察】約4%のKRAS変異は欧米の先行研究結果とも合致する。少ないもののセツキシマブ不応症例の存在については認識しておくべきと考える。予後因子としての重要性評価が今後の前向きな症例蓄積により解決されるべき問題であろう。

キーワード

臓器別:頭頸部

手法別:分子標的治療

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